Monday, February 27, 2012

小さいことでも

皆様お久しぶりです。先週中頃に体調を崩して散々な目に会っていたEngRishmanです。さて、先週末は(というか昨日、おとつい)自分が初めて企画したContinuing
Medical EducationのコースにDirectorとして参加してきました。お題目は呼吸器・集中治療医のための超音波診断です。2日間プレゼンしまくりのデモしまくりの日々でした。例によってプレゼンのファイル(パワーポイント)を直前まで仕上げてなかったので(死ぬまで治らぬこの先送り性格、いや死ぬまでには治したい)金曜日は準備で久々に完全徹夜でした。病み上がりに完全徹夜、もうヘロヘロ。良いこの皆様は真似をなされませぬように。プレゼンの準備は前もってコツコやりましょうね←自分

ただお陰様でコース自体はうまくいって皆様にも非常に好評だったので実にほっとしました。CMEを自分でデザインするのは初めてだったので実に勉強になりましたし、より大きなコースも開催してみたくなりました。小さいことでも始めてみると実に勉強になりますね。

Thursday, February 16, 2012

They do not know what they want to read until they read it

"On Writing Well"を読んでいたら出くわした一節。

Editors and readers don't know what they want to read until they read
it - William Zinsser "On writing well"

これを読んで思い出したのがスティーブ・ジョブズのセリフ。

Mr. Jobs's own research and intuition, not focus groups, were his
guide. When asked what market research went into the iPad, Mr. Jobs
replied: "None. It's not the consumers' job to know what they want."

http://www.nytimes.com/2011/10/06/business/steve-jobs-of-apple-dies-at-56.html?_r=2&pagewanted=2&hp

「マーケットリサーチなんてしないよ。実際の所なにを欲しがっているか知るのは、消費者の仕事じゃないからね。」なんというか、ジョブス節炸裂の傲岸不遜とも取れる発言ですが、実際彼のプロダクトは売れまくっているわけです。

On writing wellの文章に即して言い換えれば、「消費者はプロダクトが目の前に出てきて初めて自分たちが何を欲しがっているかを理解する」とも言えるでしょう。ジョブスはひょっとしてこの"On Writing Well"(なんせものすごいベストセラーの本なので、彼は読んでいるかもしれません)からヒントを得ていたのかもなあ、などと妄想をふくらませていたのでした。

Phys Ed: How Interval Training Can Improve Health - NYTimes.com

Phys Ed: How Interval Training Can Improve Health - NYTimes.com:
ニューヨーク・タイムズで今一番人気のある記事です。ニューヨーク・タイムズではしばしば健康に関する記事が一位を飾ります。つまりこの新聞を購読する層にとって健康は実に関心深い項目なんですよね。翻って周囲を見回すと・・・ううむ。この間の記事ともかぶりますが、興味はあるがなかなか興味ある人々と、そうでない人々の間に深い乖離があるのか、興味ある層の間でも結果に結びつかない人たちが多いのか、なかなか考えこんでしまいます。
ちなみにこの記事は実に面白いので、ちょっと長いですがお読みになることをお勧めいたします。 'via Blog this'

Thursday, February 09, 2012

この国の(体)形

ジムの更衣室に集う人々を見ながら考えました。とかくこの国は肥満体型の方が多いと。朝早くからジムに来て運動している人はかなり健康意識も高いはずですが、その人達にしてこの体型です。

http://www.cdc.gov/obesity/data/trends.HTML

上にリンクを張ったCDCの統計によれば、アメリカでは成人の三分の一 (33.8%) が肥満 (Obesity: Defined as BMI of 30 or above), 未成年で17%に上がるそうです。 ちなみにアメリカの成人におけるOverweight (Defined as BMI of 25 or above but less than 30) は34.2%ですので肥満と過体重を合わせると68%、アメリカ人の成人の実に7割近くは過体重以上ということになります。

アメリカに旅行などで少しでも来たことのある方なら、アメリカ人の肥満の原因の一つはSo apparent that you do not have to look for reasons だと思われるのではないでしょうか。 食事の量が多いし、飲み物はやたら甘いし、脂っこい食べ物が多い。これで太るなという方が無理でしょう。外から見ればあまりにも当たり前なことに思えるのですがあまり有効な対策が取られているようには思えません。ちなみにアメリカでは医師のmeetingなどでも炭酸飲料はしょっちゅう出てきます。水や砂糖の入っていない飲料水も置いてはあるのですが、むしろ少数派。医師の集まりでさえこの有様です。

3日ほど前に車を運転しながらラジオ(NPR)を聴いていたらchildhood obesityについて報道していました。内容を聴いていたらこれは大変な事態です。そろそろアメリカも公衆衛生的に本格的に介入しないと事態はさらにひどい事になるのでは?と危惧します。現状でも充分にひどい事態ですが。

(追記)
最新2009-2010のデータも出てました。ただしObesityに関してのみでOverweightに関する情報はありませんでした。
http://www.cdc.gov/nchs/data/databriefs/db82.htm

2012.2.15 Edited and updated

New EnglandとNew York


「New England Journal of Medicineがイギリスの雑誌だと思った人、黙って手を挙げなさい。先生は怒らないから」

と言われたかどうかは忘れましたが、はい、学生の頃僕はイギリスの雑誌だと思っていました。アメリカの雑誌だと知った時は「なんちゅうややこしい名前をつけるんや」と思っていました。はい、何もしらない初な学生でした。しかしそれから10数年後、まさか自分がそのNewEnglandに住むことになるとはまるで予想してませんでした。人生とは奇妙なものですね。

ところでこの「New England」という地域の定義はご存知ですか?Wikipediaによれば

New England is a region in the northeastern corner of the United
States consisting of the six states of Maine, New Hampshire, Vermont,
Massachusetts, Rhode Island, and Connecticut.

と出ています。つまりはアメリカ北東部の6つの州を合わせた地域なんですね。イギリス人が入植した土地だからこのように呼ばれていると僕は理解してます。(間違っていたらスミマセン)さて、New Yorkニューヨークはニューイングランドに含まれますでしょうか?New Yorkは違うんですよね。これもイギリス風の名前ですNewYork市のもともとの名前はNieuw-Amsterdam、つまりNew Amsterdamでオランダの入植地だったのですね。現在のNew York州はNew Netherlandと呼ばれていたそうです。つまりは入植した人たちがそもそも違ったわけですね。

というわけで、New EnglandとNew Yorkは別々の人によって入植されたのでした、と考えるとこの間のアメリカンフットボールのアメリカ一を争う戦い、SuperbowlでのNew England PatriotsとNew York Giantsの戦いも面白みが増しますよね(増さないか?)勉強になりますね〜。それではまた、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

追記
2012.2.15 Edited

Fitocracy その後

全国の"新年の誓い New Year Resolutions" 実行中の皆様、如何お過ごしでしょうか?

継続して運動をしたいと、お正月から始めたこのソーシャル運動サービスであるところのFitocracyは未だに続いております。ソーシャルネットワークと運動を結びつけたこのサービス、なかなか目のつけどころが良いと思います。運動する度に点数が貰えてレベルアップし、しかもそれが仲間に承認してもらえます。ときどき「拍手」なんていただけて更にいい気になってしまい、モチベーションが更に上がります。

まあ遊びと言ってしまえばそれまでですが、この「お遊び」がドラクエ世代のツボを刺激するわけですね。「お遊び」につられてうまい具合に運動も続いているので、なかなか運動継続のモチベーション維持に役にたっていると言えるでしょう。さて、これはどこまで続くでしょうねえ、我ながら興味あります。あ、ちなみに水泳すると点数凄くもらえるんですよってまた敵?の術中にはまっていますね。

Fitocracyにかんしては以下の記事もご参照下さい。
http://nantaro.blogspot.com/2012/01/fitocracycom.html

追記
2012.3.3 若干編集しました。

Wednesday, February 08, 2012

ミトン

娘を学校に送りに行く途中の会話
娘「あ、Mitten(手袋)持ってくるの忘れちゃった」
僕「えー、仕方が無いなあ、じゃあパパが後でもう一回家までとりに戻るわ」
・・・・
ややしばらくして
僕「ミトンをとりにおうちに戻らないと」
娘「え、ミトンって何?」
僕「え、さっき言ってたじゃない、ミトン忘れたって」
娘「違うよ、忘れたのはGloves」
僕「だからミトンでしょ」
娘「違うよー、ミトンじゃなくてMitten」
僕「し・・・失礼しました」

子供の耳って本当にいいんですね。英語の些細な(と日本人の僕には思える)発音の違いを実に的確に把握しているのです。まあ、アメリカ生まれのアメリカ育ちだから当然といえば当然なのですが羨ましい・・・

Friday, February 03, 2012

新しい単語、 Convocationとregalia

アメリカ内科学会 (American College of Physicians: ACP) から本日夕方にメールが届いておりました。Fellow (FACP) に選出されたから2012年のConvocation Ceremony に出席されたし、という内容でした。何ヶ月も前にFACPへの申し込みをしていたのですが、無事選出されて良かったです。ホッ・・・

ちなみにFellowというのは日本人的にわかりにくい単語じゃないですか?辞書など引くと「奴」などとでてますよね。Fellow of ACP (FACP) は日本ではアメリカ内科学会上級会員と訳されています。まあ、そんな感じですかね?ちなみにConvocationは卒業式とか学位授与式とか、そんな感じです。Regaliaを着るように、と書いてあったのですがこれはいわゆる「博士のガウン」ですね。

というわけでConvocation Ceremonyに行きたいのはやまやまなのですが(一回あの「博士のガウン」着てみたかった←ミーハー)同じ週にACCPのイベントが入っているのできついかなあ・・・新しい出来事には新しい単語がつきものなのでした、というお話でした。

Thursday, February 02, 2012

タグ付け ご要望など・・・

ブログに以前はタグをつけていたのですが、すっかりサボっていたので少し見なおして見ました。最近のエントリーについてはタグをなるべく付けるようにしております。

というわけで今後共当ブログをよろしくお願いいたします。時々見に来ていただいている方がいらっしゃるようで大変有難いことです。「こういう話をせい!」というご要望等ございましたらコメント欄にでも書き込んでくださいませ。

EngRishman拝

英語達人列伝 岡倉天心

さて、前回はジョン万次郎について少し書かせて頂きました。マサチューセッツ州Fairhavenで英語や数学を学んだ彼を留学第一号と呼ぶことができるとすれば、その50年後にボストン美術館のアジア美術部門の部長となった岡倉天心はさしずめ留学の達人とでもゆうべきでしょうか?かれの英語達人ぶりは斉藤兆史先生の「英語達人列伝」に詳しいですが圧巻なのはボストンの街を歩いたときのエピソード。

ボストンの街を和服を着て歩いていた天心にアメリカ人が、What sort of 'nese are you people? Are you Chinese, or Japanese , or Javanese? "と揶揄した時の彼の切り返し方です。

天心曰く"We are Japanese Gentlemen. But what kind of 'key are you? Are you a Yankee, or a donkey, or a monkey?" とさっと切り返したのです。(出典 「英語達人列伝」 斎藤兆史)

天心先生、かっこよすぎ。発言のみならず、著作もすごい。「茶の本」はご存じの方も多いかと思いますが、日本語ではなく全部英語で書かれてます。1906年にニューヨークで出版。凄すぎる。100年前ですよ?まだ、テレビもインターネットもYoutubeもiPhoneもiPadもなーんにもない頃です。ところで斎藤兆史先生による「英語達人列伝」は本当に素晴らしい本で、留学を考えられている方には是非お勧めしたいです。英語に関する本をひとつ挙げよ、と言われたら僕は間違いなくこの一冊を上げさせて頂きます。留学初期に英語にものすごく苦しんでいた時期、この本を読んで明治の岡倉天心を始めとする「英語達人」達の凄まじさにぶっ飛んだ記憶があります。天心先生には遥か及びませんが、EngRishmanもさらなる英語の上達を目指し精進していきたいです、はい。

Wednesday, February 01, 2012

ジョン万次郎とハーマン・メルヴィル

マサチューセッツ州New Bedfordの捕鯨博物館、EngRishman撮影。


僕の住んでいるニューイングランド地方は200年ほど前は捕鯨で大変賑わっていたそうで、以前にも紹介したハーマン・メルヴィルの有名な小説「白鯨(Moby Dick)」には捕鯨で盛んだった頃のニューイングランド地方が登場します。舞台の一つであるナンタケット島はCape Codという場所(僕の住んでいるロードアイランド州プロビデンスから車で1時間ぐらい)から今でも船で行けます。ところでこの白鯨が発表されたのは1851年、ちょっと引っかかったのですが、まさにジョン万次郎がニューイングランドで生活していた時期にかなり近いんですよね。

日本人として初めてアメリカに住んだジョン万次郎こと中濱萬次郎はご存知のように元々は土佐の漁師。嵐で仲間とともに鳥島に流れ着き、数ヶ月島でサバイバル生活を送ったあとに捕鯨船の船長であるホイットニー氏に拾われアメリカ本土まで(仲間4人はハワイにとどまる)一緒に行きます。嵐に巻き込まれ遭難したのが1841年、New Bedfordの港にたどり着いたのが1843年だそうです。今まであまり意識していなかったのですが、ホイットニー船長が住んでいたのは僕らのご近所、マサチューセッツ州はFairhavenという街です。僕らの住んでいるロードアイランド州プロビデンスからは車で30分ぐらいの距離です。東京と横浜、京都と大阪のような距離感でしょうか。というわけでジョン万次郎は実は僕の住む街のすぐ近くで生活していたのですね。Fairhavenのお隣のNew Bedfordという街には「捕鯨博物館 (Whaling Museum)」があります。実は数日前に訪れたのですがジョン万次郎も写真付きで解説が掲載されていました。
New Bedfordの捕鯨博物館に展示されている「ジョン万次郎」の写真。EngRishman撮影


ハーマン・メルヴィルが捕鯨船に乗り込んでこのNew Bedfordから出航したのが1841年の1月3日です。捕鯨に深く関わりのあったこの二人がひょっとしてどこかで出会っていたかも、などと想像を巡らすと、この歴史上の人物たちが実に身近に感じられなんとも不思議な気分になってきます。それにしてもジョン万次郎もハーマン・メルヴィルも僕達のご近所さんだったのですね。ちゃんとMoby Dick読まないと。でもあれやたら長い小説なんですよ、面倒くさいなあ←おい!

【追記】
2012.2.3 内容を編集・訂正 ジョン万次郎がアメリカ本土に着いた時期について。

2013-3-30 (Saturday) 内容を一部編集