Thursday, January 02, 2020

【試験勉強】米国呼吸器内科 専門医更新試験を受けてきました

皆様新年明けましておめでとうございます。ここニューイングランドも日本に遅れること約半日、ようやく新年を迎えました。旧年中は皆様にはこのブログをご愛読頂き誠にありがとうございました。本年も皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げますとともに当ブログもよろしくお願い申し上げます。気が向いたら更新しますね(←おい!)

さて、しばらく更新が滞っていてすみませんでした。夏の終わり頃から仕事などが忙しくなりすぎて(注:あくまでも自社比です)首が回らなくて、「ブログどこじゃねえ!」状態でした。すみません、でもほんと10月11月は特に「怒りのデスロード」状態で毎日心安まる時がなかったです。特に11月の末に10年に一度の米国呼吸器内科専門医更新試験があったのが致命的でした。10年前、まだニューヨークで呼吸器・集中治療のフェロー時に受験したときには資格「更新」試験では無くて、資格「取得」試験でしたが当たり前だけど、10年前になるんですよね。時の経つのはなんと早いことよ。十年一昔、光陰矢のごとし、「沖の干潟遥かなれども、磯より潮の満つるが如し」ですねえ。この十年に一度発生するろくでもないイベント、専門医資格更新試験を清水の舞台からバンジーする気分で受験して参りましたのでその顛末記をば。

さて、11月の終わり(確認したら2019年11月21日でした)に行われるこの試験、落としたら米国呼吸器内科専門医資格を失う→職を失うかも・・・という恐怖で、「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ」と数ヶ月前から日々勉強をしていました・・・と書きたいところですが、日々の忙しさにかまけ、なかなか勉強をする時間がとれませんでした。いや、もとい、「意識的に勉強する時間を確保する」ことをしていなかったのです。とは言っても試験の3ヶ月前には問題集を買い、あまつさえ「勉強のため」とiPadも新しく更新して勉強する体制を整えていたにも関わらずです。

10月に入り試験まで2ヶ月を切っても日本出張米国の呼吸器・集中治療専門医の学会(毎年のハイライト)などがあり「試験勉強どこじゃねえ!(←おい!)」状態でした。更にゾンビの様に襲ってくる原稿の締め切り。これはやばい、勉強しないと本当にやばい!!状態になったのが1ヶ月前。そういえば10年前はACCP- CHESTのボードレビューコース(アリゾナのリゾートホテルで開催、5日間朝から晩まで缶詰)に参加したっけ・・・今回は5日間も仕事を投げだしボードレビューに参加している暇もありません。10年前よりも明らかに準備不足・・・しかしここまで来るともう後がありません。いよいよ本当にお尻に火がついてきました。

そこで準備した教材:

(2) ACCP SEEKという呼吸器内科専門医試験用の問題集

の二つ。はい、二つだけです。十年前に勉強したときはACCPが専門医試験用の便利な参考書出していて非常に重宝したのに、最近は全くアップデートされておらず使えません。というわけで上の二つの教材をメインに使いながら、分からないところ、あやふやなところは参考書やUpToDateハリソン先生、その他論文などを読みながら補完する勉強法でした。しかし大学受験の頃と違って日中は普通に仕事があります。朝には職場に行き臨床・教育・研究のお仕事がありますから夜まで家に帰れません。誰も「いつも仕事頑張ってるね、ありがとう。それはそうと大事な試験があるんだろ?今日という一日は試験勉強のために使ってくれ、仕事しなくていいから」なんて言ってくれません(わけないか)。家に帰れば家事が待っております 。夕ご飯の準備とか、子供達を寝かしつけたりとか、朝になったら起こして朝ご飯食べさせて学校に連れて行ったり(共働きなので嫁さんが働いている週は僕が送り迎え担当)とかそういう奴ですね。いや、こんな環境で試験勉強とか、ははは、ご冗談でしょう、ファインマンさん、という感じですが嘆いていても仕方ない。

仕方がないので対策:

(1) 耳学問1:通勤時間(車を運転している時)は全て勉強。講義の録音を耳から聞く。当然車に同乗している家族(主に子供達)からは大ブーイング、でもここは「パパが試験に落ちたら一家が路頭に迷うから」とねじ伏せました。脅かしすぎて子供の一人からは「パパが試験落ちたら本当に私たち路頭に迷うの?」「合格点数って?」と真剣に聞かれる羽目に。「うーん、路頭に迷うかも・・・合格点数って何点なんだろうね?(←おい!)」としどろもどろの回答をする羽目に。自業自得だ。
(2) 耳学問2 : Airpod 暇さえあれば Airpod(期せずして「五七五」になった)。というわけでスキマ時間があればAirpodを耳に突っ込みiPhoneに貯めている講義を聴く時間!とせっせと講義を聴いてました。Airpod最高!最近Proが出たけどね。
(3)目学問1: これまたiPhoneを最大活用し、問題集のアプリケーションをダウンロードし、朝起きたらベッドの中で問題を解く。仕事の間もiPhoneをちまちま見ながら問題集を解くことを繰り返してました。しかし、なんと!10年前は余裕で読めていた小さな文字が読みづらい!これが噂に聞く老眼か?こしゃくな!罠にはめおって!!(←どこが罠やねん)
(4) 目学問2: 家事などをしながらでも勉強はできる!料理をしながら手元にiPadを置き講義のビデオを拝聴。よそ見調理は良くないですよ、でも背に腹は代えられぬ。

上に書いた方法を駆使しながら10年前と比べめっきりおとろえた体力知力眼力を総動員しながら勉強を続けます。しかし11月に入っても出張は続きます。あまつさえ、11月の半ばは1年の中でも最も出張講義が多く入った月でした。時間がまじで足りん、やばい!本当にやばい!当然のことながら出張講義の準備もしないといけません。出張は当然自分が講義をする方なので、初回受験を控えたシニアフェローの先生のように「試験勉強がきつくて・・・今回は先生のレクチャーでれません、すみません」とキャンセルする訳にもいきません。こっちだって「試験勉強忙しいから講義キャンセルね」って言いたいよ。言わんけど。1週間前になるといよいよ「これはやばい!」という気持ちに拍車がかかります。ここで「時よ止まれ!」といけたらよいのでしょうが、生憎当方そのような特技は持ち合わせておりません。せいぜい、無駄にあがくぐらいです。

そしていよいよ受験の日。試験の度に「あと1週間あれば!」と毎回思うのは何故?ほんと、あと1週間あればもう少し準備出来たのに。と思うのですが、そう思うんだったら1週間早くから準備始めなよ、という話ですよね、全く。8時間の長丁場の試験を終え、疲労困憊の末家路についたのでした。

年明けには結果が出るだろうと戦々恐々としながら日々を過ごしました。この試験落としても一般内科の専門医資格はあるから、ホスピタリストとして過ごすか?などとろくでも無いことを考えながら細々と試験の復習などをしておりました。

そしたらなんと以外と早く、試験から1ヶ月以内にそのメールは突然にやってきました。12月19日にABIMより「重要なお知らせ」のメールが。え、もう?心の準備ができてないんだけど?と宮本武蔵を待つ佐々木小次郎の気分です(知らんけど)。ちなみに合否はメールには直接表示されず、リンクをクリックすると分かる仕組みです。これ、本当に心臓に良くない。




リンクをクリックしたら・・・・






































合格してました。良かった〜。点数見ると全体の平均よりは良かったです。なーんだ、びびって損したよ(←ええ加減にせえよ、自分)。というわけで専門医更新試験のお話でした。次回こそはちゃんと余裕もって試験勉強しましょうね、自分。
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