細雪は谷崎潤一郎が描く1936年から1941年(と推察される)の大阪を舞台とした小説ですが内容が瑞々しく、戦前のお話とは思えません。驚くのは脚気の治療に自宅でビタミンBの注射をすること。医師でもない民間人が普通に注射を家族にしていたんですね。びっくり。フランス語の練習や、ピアノの練習なども出てきて、当時の上流階級というのは、いやはや、非常に豊かな生活を送っていたのだと驚かされるばかりです。
この細雪、最近ではKindleでも読めるので有り難い限りです。文庫本は最近では字が小さすぎて読むのが辛いのです。それにしても脚気を「B足らん」と作中で表現してますが、なかなか言い得て妙ですよね。ちなみに脚気は英語でもフランス語でもBeriberi (フランス語ではBéribéri)です。