Monday, March 28, 2011

2011年3月11日の大震災から2週間以上が過ぎました

皆様お久しぶりです。ブログの更新が大分滞ってしまいました。2011年3月11日に日本で起こった未曽有の大震災。本当に心が痛む出来事です。被害に合われた方々には心から哀悼の意を表します。多くの皆様とおそらく同じように、ここ2週間は大震災のニュースから離れることができませんでした。最初に震災の存在を知ったのは、高校時代の同級生のメーリングリストからでした。何故か朝の3時過ぎ(日本の午後4時過ぎ)に目が覚めた僕はメールをチェックし、同窓会のキャンセルを知ったのでした。たまたま高校の同窓会がその日に企画されていたのでしたが、それが「地震でキャンセル」のメール。地震て・・?それからツイッターをチェックします。なんだかとんでもないことになっているらしい。大津波?心配になって日本の実家に電話します。電話がなかなかつながらず焦ります。ようやく仕事場にいる父とつながり無事が確認できます。それから実家近くに避難している母とも連絡がつきました。おかしなことに、アメリカから日本にいる父に、これまた日本にいる母の無事と居場所を報告することになりました。父が電話をかけても母につながらなかったようです。

それからは文字通り、朝から晩まで世界各地が報じる日本の大震災の報道に釘付けでした。なんだか悪い夢を見ているようです。津波の映像にはただ言葉を失い、日本の空気、大地、水が放射能によって汚染されている報道には本当に「これが夢であったら」と思わずにいられません。ツイッターでつぶやくのが精一杯で、とてもブログを書く気にはなりませんでした。ツイッターのログはあとで振り返ったときの貴重な記録となるのでしょう。いまはただ目の前の現実を見つめるのみです。現状を認識し、前に進んでいかないといけないのですよね。僕も、僕にしかできないこと、僕に出来ることを地道にしていこうと思います。それが復興支援につながると信じて。

Thursday, March 10, 2011

恐怖のナイトフロート (NY日記 留学開始当時シリーズ)

皆様、昔のメール読んでたら止まらなくなりました。ああ、さっさと仕事に戻らねば、というわけでさらに続けます(←おい!)

元同僚たちに宛てたこのメールを書いたのはもう8年近く前にもなります。ナイトフロートというのは、アメリカの研修医に特有のローテーション(今でもそうかな?)で2週間、ひたすら夜勤をつづけます。病棟で緊急時に呼ばれたり、夜間の入院をとるわけですね。これが年に2回ほどあります。夜働いて、朝かえって、昼間寝て、また夜働く。なんだ、今の生活とそう変わらないではないか(がっくり)!当然体にはすごく悪いです。文面から「いやいや感」が滲み出てますね。例によって一部編集しております。あの頃は、ホント辛かった。(シミジミ)



Monday, July 21, 2003 5:33 PM
Subject: 恐怖のナイトフロート

皆様:

お元気でしょうか?南太郎@NYです。日本は梅雨が明けましたでしょうか?京都はもうだいぶ暑いですか?僕は現在ナイトフロートといって、当直専門のローテーションを回っています。具体的には夜の9時に研修医の引き継ぎが始まり、朝の7時20分ぐらいに再び引き継いで終わるといった感じです。フロアーを3つ担当しているので、具体的には60人ぐらいをレジデントと2人で担当することになります。もっともレジデントはスーパーバイズが主で、基本的にファーストコールは僕(インターン)なのでベル(こっち風にいうとページャー)で呼ばれまくることになります。

おわかりでしょうが、こういったやりとりはすべて電話を通じて行われるので、英語の不得手な人間にとってはまあまあ悲惨な状況となります。まずはどの患者さんについてしゃべられているのかわからない。綴ってもらってようやく納得という状況です。それから状況の確認、むこう(たいていは看護師)が何を求めているのかを把握するのにも一苦労があります。日本でなら5分ですむところを何時間もかかってしているときもあります。寝れるといいのですが、あまり寝れずに朝を迎えふらふらになって病院からアパートにたどり着き(アパートが病院の隣で近いのは唯一?良い点ですーーー病棟とーーー研の距離よりも近いです)昼間寝て夕方起きる。また次のフロートといった日々になります。仕事開始の夜9時が近づいてくると本当にいやな気分になってきます。むち打つように体を前に進める感じです。うーん、はやく上手に英語が話せるようになりたいと思う今日この頃です。

皆様はいかがお過ごしですか?またよろしければ近況など教えて頂けたら幸いです。それではまた、ご機嫌よろしう・・・

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2013-3-1 (Friday) 内容を一部編集

留学初期のNY日記シリーズ

皆様、さらに続けて初期のNY日記シリーズです。これを書いたのが2003年7月7日ですから、まだニューヨークで留学が始まって間もない頃です。例によって一部編集。このころは英語に非常に苦労して、本当に右往左往していました。

Monday, July 07, 2003 2:55 PM

今日(月曜日)はオフです。救急を3シフト終えたところですがまだ慣れませんね。書類の位置からして迷うことばかりです。病気らしい病気がどんどん来るのは楽しいと言えば楽しい?ですが。なんとかサバイブしたいものです。

昨日はニューヨークのーーー留学組による歓迎会でした。なかなか楽しいひとときを過ごすことが出来ました。彼の地でも頑張っておられるひとは沢山いるんだなあと思いました。それではまた。

全てはここから始まりました?【ブログ前身の「NY日記」第一弾?】

皆様:

最近古いパソコンに入っているメールをGmailに統合しようと四苦八苦しております。(どなたか良い方法ご存知でしたらご教授下さいませ)OutlookExpressのメール(dbx形式で保存)って単純にはGmailに統合できないんですよね?なんか、Gooメールを利用するという方法もウエッブに載っていたのですが、このためだけにお金払うのもなあ(←わたくし、基本的にケチなのですよん)というわけで、ただで簡単にGmailへ古いメールを統合する方法を模索中です。

というわけで、古いパソコンを久しぶりに立ち上げていたら、留学が始まった当時のメールが出てきました。もう、これがですね、涙なしには読めないんですよ(笑)。ご参考までにニューヨーク到着直後のメールを開陳いたします。日付を見たら2003年の6月28日になっていました。7月1日が研修開始ですから、本当に直前にアメリカに到着したんですよね。それもこれも、あの忌々しいビザの手続きのせいでした。あまりにも、アレな誤字脱字とかは若干修正して載せていたり、ちょっと伏せている情報もありますが、基本的にはこのままのメールを当時の仕事仲間(というか正確には直前まで一緒に働いていた仲間)に向けておくっていたのです。懐かしいなあ。あの当時は英語で本当に悔しい思いばかりしていました。今でこそ、こっちの医学部の教官になって医学生や研修医相手にいちびってますが、あの当時は本当に泣きそうになりながら一日一日を過ごしていたんですよ。


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Saturday, June 28, 2003 7:27 PM

皆様:

ようやくNYに到達いたしました。
入国審査はびびりまくりでしたが
とりあえずはナントカカントカ終わりました。

それで思い出しましたが
(そのころ関わっていた翻訳の名前)
ようやく入稿全て終わりゲラ刷りの段階に入りました。
また適宜報告しますね。

NYは暑いです。熱気でむんむんしています。
来週からはや仕事です。
復帰できるといいんだけど
もう不安で心臓ばこばこです。

英語は相変わらずで言いたいこと言えずに悔しい思いをしてます。
それではまた。
電話番号など決まり次第ほうこくします。

Wednesday, March 09, 2011

自炊のお話


IMG_2382.JPG, originally uploaded by Taro Minami.
はい、今日は本の自炊ではなくて、本当の自炊の話です。なんかへんだな。自分でご飯を作る、ということですね(しつこい)

僕は学生の時は徹底的に自炊しないので有名だったんですが、環境が良すぎ(周囲に安くておいしい学生向けの定食屋さんが山ほどあった)たので仕方ないと言わざるを得ないでしょう。(←おいおい)

しかしアメリカに来て、その辺りのご飯があまりにもアレなんで、泣く泣く自炊生活が始めました。自炊というものにとんと縁のなかった僕も、猫がお手を覚えるように長い期間かけて自炊の道を辿って行ったのです。そこでですね(←偉そう)、僕が思うにですね、特に男の自炊というものはですね、あー、うー、(←お前は何者や?)如何に手抜きをすることに尽きるんではないかと。いえ、誤解されないように申し上げますが、自炊を続けるべく、なるべくやる気をそぐ要素は減らしておく、ということですね。Motivation 3.0というやつですね(←違うって)え?誤解してないって?失礼しました。

たとえば、料理にしょっちゅう出てくる、にんにくのみじん切り。あれ、結構めんどくさいじゃないですか。皮むくのめんどくさいし、切るのも大変だし。というわけで、もうすでに包丁を入れるだけの"peeled garlic"というものを買ってくるわけです。もしくはさらに一歩進んで、もうすでにみじん切り状態の瓶詰めにんにくを買ってきちゃうわけです。そうすると、あら不思議、自炊のなんと手間の省けることよ。スパゲッティなんて、基本麺茹でている間に、オリーブオイルににんにくとベーコン突っ込むだけじゃないですか(多少誇張あり)、さすがの僕でもなんとか手が出るわけですよ。一番大事なのは「自炊?あー、あれうっとうしいなあ」という気分をいかに少なくすることではないかなあ、愚考する次第です。あ、これ、英語の勉強にも通じるな。

ちなみに写真のパスタはを参考にして作りました。ほうれん草の代わりにナスを使いましたが美味しかった~リピ決定(笑)

我が家の定番☆和風スパゲッティ

Sunday, March 06, 2011

アメリカで医師免許を獲得するまで USMLE and Beyond

日本だと医師国家試験に合格すればすぐに医師免許がもらえ、日本全国どこでも医療行為ができます。アメリカはちょっと違います、というかすごく違います。アメリカは試験に合格したからといって医師免許は自動的に手に入りません。さらに州ごとに医師免許を申請しないといけません。日本とアメリカの医師免許を両方持つEng"R"ishmanが以下に医師免許試験と、試験合格から免許取得までのプロセスについて述べさせて頂きます。

【更新情報】May 24, 2018 アメリカで医師免許を獲得する:マサチューセッツ州編 をアップしました。合わせてお読みいただけましたら幸いです。
【更新情報】July 4, 2018 以下の記事を更新しました。
アメリカで医師免許を獲得する:マサチューセッツ州編 1
アメリカで医師免許を獲得する:マサチューセッツ州編 2
アメリカで医師免許を獲得する:マサチューセッツ州編 3

(1) 米国医師免許試験 United States Medical Licensing Examination (USMLE) について

アメリカも日本と同じで、医師免許取得のためにはまず医師国家試験に合格しないといけませんが、これはおおまかに3段階あります。United States Medical Licensing Examination (USMLE) Step 1, Step 2 (CK, CS), Step 3 がそれにあたります。

(1-1) USMLE Step 1
 Step1 はおおまかに基礎医学の知識ががメインで問われる試験、ちなみにコンピューター画面上で正しい回答を選択するというのが基本形式。Multiple-choice formatというやつですね。ちなみに僕がうけたときはまだ紙ベースでマークシートでした。年がばれますな。ちなみに受験は日本、というか東京でできました。学生の時に京都から受験のためだけにえっちら上京した懐かしい思い出が。僕が受験した当時はたしか一年に2回程度開催されていたと思います。コンピュータ上で受けられる現在は東京だけでなく、複数の箇所で、しかも受験日も比較的自由に選べるようになったと聞きます。羨ましいっす。僕が受験したときはインターネットがまだ世に出始めたばかりで、極東にはアメリカの医師免許試験の情報も余り出まわってなかったんですよ。グスン。

(1-2) USMLE Step 2 (Step 2 CK / Step 2 CS)
Step 2 は臨床系の知識、技能を問われます。Clinical Knowledge (CK)がいわゆるコンピューター画面上での試験であるのにたいして、Clinical Skills (CS) は実技試験です。アメリカに幾つかある試験会場まで出かけていって、そこで模擬患者さん(俳優さん)を実際に診察し、カルテに記載するわけです。その他の試験は日本で受験可能なはずですがStep 2 Clinical Skillsだけはアメリカまで出かけないと受験できません。ええ、はるばるフィラデルフィアまで受験に行きましたよ。今までの受験人生の中で最悪にめんどくさかった試験 (更新:National Board of Echocardiography が記録更新:最悪にめんどくさい試験です。合格したから良かったけど・・・)でトラウマになりました。お陰でしばらくフィラデルフィアに近づくと拒否反応が・・・(最近ちょっとましになってきました。フィラデルフィアの皆様、すいません、悪気はないんです。悪いのは全てあの忌々しいClinical Skills Assessment (CSA: 昔はStep2 CSをこう呼びました) のせいです。フィラデルフィアは歴史に満ちた良い街だとこの間の学会ではしみじみ思いました)

(1-3) USMLE Step 3
Step3はさらにStep2から踏み込んだ臨床系の知識が問われる試験です。ちょっとゲームのような変わった試験形式の部分があり楽しかったです(今でもあるのかな?)多くの人は研修医としてのトレーニングが始まってからこの試験(Step 3)を受けます。あれ?と思いません。そう、病院で医療行為するのに、かならずしも医師免許は必要ないんですね。研修医であればStep2まで合格していれば上級医の監督のもと、教育病院で医療行為ができるのです。僕はアメリカで研修を始めてから受験しました。あまり点数を気にしなかったのでStep1やStep2と違い、ほとんど試験準備をせずに(言い訳すると、普段から勉強してるから特別な勉強せんでも大丈夫なはず!と思ってました←ほんまかいな?)受験するというあまり褒められない状態でしたが有難いことに合格してました。

(1-4) ECFMG Certificate - 医師免許ではありません
外国の医学部を卒業し、アメリカで医師として(研究ではなく)医療行為をして働きたい場合、ECFMG Certificateを取得する必要があります。必要条件としてUSMLE Step1, Step2 CK, Step 2 CSの合格が挙げられます。ここまで合格すれば一段落、というわけです。ただしECFMG Certificateは医師免許ではありません。時々誤解されているように思うのですが(ECFMG Certificateが、あたかもそうであるように翻訳されている記事を見かけることがありますが、それは間違い)、ECFMG Certificateは医師免許の前の段階に過ぎず、米国の医師免許を取得するためには更に試験(USMLE Step3)と様々な書類作業や条件が必要になってきます。以下に続きます。


(2) 医師免許試験 (USMLE) 合格から実際の免許取得まで

さて、遂にStep3まで合格しました。医師免許は自動的に送られてくるでしょうか?送られてきません。医師国家試験合格と医師免許保持は同じではないのです。ここが日本と違うんですよね。(細かいことを言えば、日本も国家試験合格から幾つか書類作業はありますが、段違いです。それに申請から6ヶ月とかかからないですよね?)Step3まで合格して、ここから初めて州の医師免許申請が始まります。そう、免許も全米で有効なわけではなく、州ごとに有効なのです。ニューヨーク州で医師免許を持っていても、マサチューセッツ州で働けるとは限りません。ややこしいですよね。実はこの記事ではこの部分を書きたかったんです。試験合格から免許取得までは長い長いプロセスが始まります。僕の場合初めて申請したときに半年近くかかりました。多くの州で、医師免許申請に大きく2つのパートがあります。

(a) Federation of State Medical Board (FSMB - 連邦医師免許ボード) における書類審査と、
(b) 州ごと(正確には州のDepartment of Health)の書類審査です。

多くの州ではこのFederation of State Medical Board: FSMB(というかその所属機関であるFCVS:Federation Credentials Verification Service) から書類審査を受け合格?していることが大きなポイントとなります。FSMBから州のDepartment of Healthに書類が届くまで、実質州での書類審査は始まりません。

このFCVSによる書類審査が、モーレツに鬱陶しい。山のような書類審査があります。とくに外国の医学部(僕であれば日本の医学部)を卒業していると審査に余計時間がかかります。書類もお役所的にネチネチとチェックされ、「規定に合わない」と突っ返されることもしょっちゅうです。一回など「出生証明書に不備がある」と突っ返されたことがありました。ちゃんとニューヨークの日本領事館で発行されたれっきとしたBirth Certificateですよ。これがだめなら、なにが良いんだと怒りの電話をかけたら「上司と相談してくる」そののち「ま、この書類でもOKということになったので宜しく」といった意味の返事を頂きました。大変です。そうこうして、数カ月してようやくFCVSから申請州への認可の手紙が送られるわけです。FCVSから「この人物の医師免許申請を認可する」旨の書類が州のDepartment of Health (DOH)に届くまで、実質DOHでの作業は始まらないといっても良いかもしれません。これが揃って(他にも山のように書類を提出するのですが)ようやくDOHでの最終認可の作業と相成ります。

僕は書類作業が猛烈に苦手な人間なので、この一連の作業が本当にストレスでした。こうして苦労して手に入れた医師免許証は雨の日に普通郵便で玄関に打ち捨てられるように届けられてましたとさ(←実話)。お陰で免許証が濡れて一部ふやけてます(涙)ということで免許申請の話はこれにて一件落着?

(3) ドキュメントスキャナーの活用

ここで、はなしが大きくもどって、ドキュメントスキャナーの登場です。FCVSからよくファックスでこの書類を送れ、と要求がきました。このファックスで送る作業が実に大変。ちゃんと指定先に送ってるのに「届いてない」とけんもホロロの返事がしょっちゅう。もう一度ちゃんとチェックしてよ、と電話口で(この電話がまた繋がりにくい)頼むと「ああ、あったよ」ですよ。「送った」「受け取ってない」の連続です。ウッキー!!こういうやりとりにほとほと疲れたので最近は「ファックスの代わりにスキャンした書類をメールで送れない?」と聞くことにしてます。そのほうが、お互いハッピーになれる場合が多いのです。これなら無くならないし、送った証拠も残りますしね。

というわけでドキュメントスキャナーは大活躍です。ボタン一発で重要な書類はPDFとしてクラウドに保管され(ちゃんと事前に設定する必要はあります)、そこからメール添付一発で送れ、しかも「送った」「受け取ってない」系トラブルを回避できます(←これが凄く重要)というわけで、「もっと早くに買っておけば良かったー」なのでした。お後がよろしいようで。 というわけで、だいぶ違う日米の医師免許申請事情なのでした。

(4) 関連のリンク

ところで、この話は僕のブログのかなでも圧倒的に読まれている記事なんですね。元の記事はツイッターに1時間ぐらいかけて適当に投稿したものなのでびっくりです。アメリカの医師免許に関心のある方のためにその他の記事へのリンクも張っておきます。ご愛読誠にありがとうございます。

免許の更新とCME
CME (Continuing Medical Education) 続き

【編集履歴】
2011-8-13 タイトルを変更しました
2011-8-13 さらに内容をちょっとだけ編集
2011-8-18 内容を編集
2012-1-25 内容を編集
2012-2-14 内容を編集
2012-3-5 内容をさらに一分追加
2012-6-3 内容を一部編集
2012-6-18 (Monday) 内容をさらに追加編集
2012-9-23 (Sunday) 内容を一部編集
2012-9-28 (Friday) 内容を一部追加編集
2012-10-8 (Monday) 一部編集
2013-2-23 (Saturday) 内容を一部編集、追加、リンク先を修正




【追記 on 2012-6-18 (Monday)
ところで、この記事は僕のブログの中でぶっちぎりで読まれている記事なんですね。びっくり。本当に最初は一時間ぐらいかけて、さらさらって書いた記事だったんです。米国の医師免許の情報ってそこまで皆様の興味を惹かれるものなんでしょうか?もし、「米国医師免許にからんでこんな話が聞きたい」などございましたら、メッセージを頂けましたら幸いです。ご愛読誠に有難うございます。

【追記その2 2012-9-28 (Friday)】
この記事って、本当に僕のブログの中でぶっちぎりで読まれている記事です。本当にびっくり。他に米国医療事情で「こんな話が聞きたい」などありましたらご連絡いただけましたら幸いです。重ねご愛読に感謝申し上げる次第です。

ドキュメントスキャナー remixed

先程のつぶやきを再編集し加筆たものです。読みにくくてスミマセンでした。
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時々、あなたにとってもっと早く買えばよかったもの何?なんて情報・質問がWEBに転がってますが、僕はその質問にはっきり答えられます。ひとつはドキュメントスキャナー。富士通のスキャンスナップとかその類ですね。留学前に「これあったら便利だろうなあ〜」と思いながら値段のせいでなかなか手が出ませんでした。ようやく買えたのがフェローシップに入ってから。つまり留学して4年以上たってからです。買ってから激しく後悔しました「なぜもっと早く買わなかった」のだと。

留学時の激しい書類のやりとりも、これさえあれば非常に便利だっただろうなあと後悔しきり。僕は苦労して手に入れた政府保証書などの超重要書類を一回アメリカの病院側に全てなくされたことがあって、留学に間に合わなくなりそうになったことがあります。フェデックスで送ったのに、煙のように消え去りました。送り先は悪びれることもなく「なくしてゴメンね、おかしいなあ・・・」ですよ。あの時もPDFで送っておけば、ものすごい手間とお金を節約できただろうなあ、と思いました。

今回指導医になる際のビザ申請ではドキュメントスキャナー活用しまくりました。結局すごく時間はかかりましたが、無ければもっと時間かかってたでしょう。出先で突然「あー、忘れてたけど、あの書類も必要だった」と言われることがあり、そういう際もPDFで保管していたらメール送信一発、その場で解決です。すごくいい。もう一つ「もっと早くに買っておけば良かった」のがマックブック。使い始めてちょうど1年近くになります。何故にWindowsを使い続けたのか後悔しきり。もっと早くに買っておけば良かった。使い方になれるのにちょっと時間かかりますが、慣れたらこんなに使いやすいものはない。さて、今回のiPad2ー僕はこれが出るまでiPadは買い控えていたのですが、「だー、これなら初期のiPadから買っておけば良かった」と激しく後悔することになるでしょうか、それとも「待っておいて良かった」となるでしょうか、さて。

(追記:このつぶやきの後に発表されましたねiPad2。すごくほしいです。山の神さんに相談しよっと)

アメリカの医師免許とドキュメントスキャナー

3月2日にツイッターで呟いたドキュメントスキャナーとアメリカの医師免許についてです。下から上の順番で恐縮なのですが・・・


【追記 August 18, 2011: これを更にまとめたエントリーもありますので、宜しければご参考になさって下さい】
  • 13:42 本当にそう思います。RT @keimiyazaki: 私買って渡米しました。確かにmustですねRT @nantaro: (もっと早く買えば良かった)ひとつはドキュメントスキャナー。富士通のスキャンスナップとかその類ですな。…... 買って激しく後悔「なぜもっと早く買わなかった」
  • 11:00 (アメリカの医師免許)そこでドキュメントスキャナーは大活躍です。重要な書類をスキャンしておけば、メール添付一発で送れ、しかも「送った」「受け取ってない」系トラブルを回避できます(←これが凄く重要)というわけで、「もっと早くに買っておけば良かったー」なのでした。お後がよろしいようで
  • 10:58 (アメリカの医師免許)もう一度ちゃんとチェックしてよ、と電話口で(この電話がまた繋がりにくい)頼むと「ああ、あったよ」ですよ。ウッキー!!こういうやりとりにほとほと疲れたので最近は「スキャンした書類をメールで送れない?」と聴くことにしてます。そのほうがお互いにハッピーな場合おおし
  • 10:56 (アメリカの医師免許)ここで、はなしが大きくもどって、ドキュメントスキャナーの登場です。FSMBからよくファックスでこの書類を送れ、と要求がきたのですが、このファックスで送る作業が実に大変。ちゃんと送ってるのに「届いてない」とけんもホロロの返事がしょっちゅう。
  • 10:54 (アメリカの医師免許)FSMBから手紙が州のDepartment of Health (DOH)にとっては最も重要な書類なので、これが揃って(他にも山のように書類を提出するのですが)ようやくDOHでの最終認可の作業と相成ります。僕は書類作業が猛烈に苦手な人間なので、本当にストレス
  • 10:51 (アメリカの医師免許)そののち「ま、この書類でもOKということになったので宜しく」といった意味の返事を頂きました。大変です。そうこうして、数カ月してようやくFSMBから申請州への認可の手紙が送られるわけです。
  • 10:48 (アメリカの医師免許)一回など「出生証明書に不備がある」と突っ返されたことがありました。ちゃんとニューヨークの日本領事館で発行されたれっきとしたBirth Certificateですよ。これがだめなら、なにが良いんだと怒りの電話をかけたら「上司と相談してくる」
  • 10:45 (アメリカの医師免許)このFSMBによる書類審査が、モーレツに鬱陶しい。山のような書類審査があります。とくに外国の医学部(僕であれば日本の医学部)を卒業していると審査に余計時間がかかります。書類もお役所的にネチネチとチェックされ、「規定に合わない」と突っ返されることもしょっちゅう
  • 10:43 (アメリカの医師免許)多くの州ではこのFederation of State Medical Boardから書類審査を受け合格?していることが大きなポイントとなります。FSMBから州のDept of Healthに書類が届くまで、実質州での書類審査は始まりません。
  • 10:41 (アメリカの医師免許)多くの州で、医師免許申請に大きく2つのパートがあります。連邦医師免許ボードにおける書類審査と、州ごとの書類審査です。http://bit.ly/hbIffV
  • 10:37 (アメリカの医師免許)Step3まで合格して、ここから初めて州の医師免許申請が始まります。この部分を書きたかったのですよね〜、長い長いプロセスです。僕の場合初めて申請したときに半年近くかかりました。
  • 10:34 (アメリカの医師免許)研修医はStep2まで合格していれば上級医の監督のもと、教育病院で医療行為ができます。さて、遂にStep3まで合格しました。医師免許は自動的に送られてくるでしょうか?送られてきません。医師国家試験合格と医師免許保持は同じではないのです。ここが日本と違います
  • 10:31 (アメリカの医師免許)Step3はさらにStep2から踏み込んだ臨床系の知識が問われる試験です。ちょっとゲームのような変わった試験形式の部分があり楽しかったです(今でもあるのかな?)多くの人は研修医が始まってからこの試験(Step 3)を受けます。あれ?と思いません。
  • 10:29 (アメリカの医師免許)その他の試験は日本で受験可能なはずですがStep 2 Clinical Skillsはアメリカまで出かけないと受験できません。ええ、はるばるフィラデルフィアまで受験に行きましたよ。今までの受験人生の中で最悪にめんどくさかった試験でした。
  • 10:27 (アメリカの医師免許)Step 2 は臨床系の知識、技能を問われます。CKがいわゆるコンピューター画面上での試験であるのにたいして、CSは実技試験です。アメリカに幾つかある試験会場まで出かけていって、そこで模擬患者さん(俳優さん)を実際に診察し、カルテに記載するわけです。
  • 10:25 Step1 はおおまかに基礎医学の知識ががメインで問われる試験、ちなみにコンピューター画面上で正しい回答を選択するというのが基本形式。Multiple-choice formatというやつですね。ちなみに僕がうけたときはまだ紙ベースでマークシートでした。年がばれますな。
  • 10:22 (アメリカの医師免許)USMLEにはStep 1, Step 2 Clinical Knowledge (Step2 CK), Step 2 Clinical Skills (Step2 CS), Step 3と3段階有るわけです。http://bit.ly/gHHHsk
  • 10:20 (アメリカの医師免許)アメリカでも日本と同じでまず医師国家試験に合格しないといけませんが、これはおおまかに3段階あります。United States Medical Licensing Examination (USMLE) がそれにあたります。
  • 10:17 (アメリカの医師免許)日本だと医師国家試験に合格すると医師免許がもらえて、日本全国どこでも医療行為ができます。アメリカは州ごとに医師免許を申請しないといけません。
  • 10:12 (もっと早く買えば良かった)さて、今回のiPad2ー僕はこれが出るまでiPadは買い控えていたのですが、「だー、これなら初期のiPadから買っておけば良かった」と激しく後悔することになるでしょうか、それとも「待っておいて良かった」となるでしょうか、さて。
  • 10:11 (もっと早く買えば良かった)もう一つがマックブック。使い始めてちょうど1年近くになります。何故にWindowsを使い続けたのか後悔しきり。もっと早くに買っておけば良かった。使い方になれるのにちょっと時間かかりますしね。
  • 10:09 あの時もPDFで送っておけば、ものすごい手間とお金を節約できただろうなあ、と思いました。今回のビザ申請ではドキュメントスキャナー活用しまくり、でもすんごく時間かかりましたが無ければもっと時間かかってたでしょう。
  • 10:08 (もっと早く買えば良かった)留学時の激しい書類のやりとりも、これさえあれば非常に便利だっただろうなあ、と後悔しきり。僕は政府保証書など超重要書類を一回病院側に全てなくされたことがあって、留学に間に合わなくなりそうになったことがあります。フェデックスで送ったのに。
  • 10:06 (もっと早く買えば良かった)ひとつはドキュメントスキャナー。富士通のスキャンスナップとかその類ですな。留学前に「これあったら便利だろうなあ〜」と思いながら値段のせいでなかなか手が出なかった。ようやく買えたのがフェローシップ入ってから。買って激しく後悔「なぜもっと早く買わなかった」
  • 10:04 (もっと早く買えば良かった)時々、あなたにとってもっと早く買えばよかったもの何?なんて情報がWEBに転がってますが、僕はその質問にはっきり答えられます。

Saturday, March 05, 2011

カント先生と僕

大学生になって「ちょっとは学生らしく哲学でも学ぶっぺかね」とはじめて本格的に哲学書で取り組んだのがハイデガーでした。大学の哲学の授業を選択したら、たまたま取り扱う哲学者がハイデガーだったというだけなんすけど。で教科書がハイデガーの解説書。指定教科書で、解説書だから、基本的に分かりやすく書かれているはずですよね。しかしまーったくわからんのですわ、これが。別の言語で書かれた、魔法の書を読んでいる気分でした。こ、、、これ本当に日本語?これをどうやって理解しろというのだ!という怒りすら湧いてきた覚えがあります。

若さとは、内省の欠如でもあります。(あ、いまでもそうか)若者には「これを書いたやつが馬鹿だから、理解できんのだ」というふうに話が向かうわけです。馬鹿なのは自分なのにね。もう、解説本などイラン、本人の著書に直接当たるまでよとピックアップしたのが「存在と時間」。ほう、ふむ・・・ええと、これ、漢字と平仮名がまじっていて・・・日本語?で書かれているようなんですが?はて、ヒトコトも理解出来ないんすけど。ひょっとして、僕って馬鹿?(←ようやく気づいた?)、いや、そうだ翻訳が悪いんだ!翻訳者出てこい!!(←またかよ)と無残にも討ち死にしたのでした。

この最高に取っ付きにくい本の表紙のハイデガー自身、そもそもしかめ面していて、近づきにくい。こちらから思わず「シニョール、そんなしかめつらせずに、陽気に行こうぜガハハハ」と言いたくなってしまいました。もちろん相手は哲学者だから、おいそれとはニコニコできない複雑な事情がおありなのでしょう。本の表紙のハイデガー先生は相変わらずしかめ面なのでした。

その点、カント先生なんかはすっとぼけた顔していて、なんだか「スターウオーズのC3PO」みたいな感じで、「お、ちょっとはお近づきになれるかも!」と期待しましたがだめでしたね。(顔で判断するなっチューの)そのカント先生の著書も様々に手を出してみましたが、サーッパリわからん。基本的に「ええと、これ日本語でかかれてます?」というレベルですね。ぜーんぶ、討ち死に。実践理性批判純粋理性批判永遠平和のために(最後のはちょっとましだった)全部ダメ。本棚の飾り。つまりは友人から「お・・・カント読んでるんだ」と聞かれたときに「うん、まあね・・・」と答えるためのアイテムに成り果てたのでした。

それでも、「どうやら大事なこと言ってるらしいから読まねばならん」と、ドイツ旅行していた際は本屋でドイツ語で書かれた原著を買い求めたりさえしたんですよ。読めるわけないのにね。でもタイトルだけはよく覚えてます。Kritik der reinen Vernunft(純粋理性批判)でしょ。ほら、合ってた(と今手元の本を参照)。なんとなく、本場の言葉で読んだほうが分かりやすいかなあ?とぼんやり考えていたんです。それもこれもない知恵を絞って、偉い先生とちょっとでもお近づきになりたいと考えていたからなんですね。

そうこうするうちに月日は流れに流れ、はや20年(ああ、年月はかくも早くながれるものか!)再び、カント先生の本を紐解いております。きっかけはあのサンデル先生の正義に関する本ですね。あれ読んでから、ちょっとだけカント先生が分かった気になって、ちょっとだけ分かった気になったら、ちょっとだけ原著(といっても翻訳)読む気になりました。20年経ったから、ちょっとはお近づきになれるかも、という淡い期待を抱いたんですが、まだまだ難しいですね。ふうう、でも、まあちょっとづつ近づけているような気もします。まあ、気長に行きますよ、シニョール!