マサチューセッツ州New Bedfordの捕鯨博物館、EngRishman撮影。
僕の住んでいるニューイングランド地方は200年ほど前は捕鯨で大変賑わっていたそうで、以前にも紹介したハーマン・メルヴィルの有名な小説「白鯨(Moby Dick)」には捕鯨で盛んだった頃のニューイングランド地方が登場します。舞台の一つであるナンタケット島はCape Codという場所(僕の住んでいるロードアイランド州プロビデンスから車で1時間ぐらい)から今でも船で行けます。ところでこの白鯨が発表されたのは1851年、ちょっと引っかかったのですが、まさにジョン万次郎がニューイングランドで生活していた時期にかなり近いんですよね。
日本人として初めてアメリカに住んだジョン万次郎こと中濱萬次郎はご存知のように元々は土佐の漁師。嵐で仲間とともに鳥島に流れ着き、数ヶ月島でサバイバル生活を送ったあとに捕鯨船の船長であるホイットニー氏に拾われアメリカ本土まで(仲間4人はハワイにとどまる)一緒に行きます。嵐に巻き込まれ遭難したのが1841年、New Bedfordの港にたどり着いたのが1843年だそうです。今まであまり意識していなかったのですが、ホイットニー船長が住んでいたのは僕らのご近所、マサチューセッツ州はFairhavenという街です。僕らの住んでいるロードアイランド州プロビデンスからは車で30分ぐらいの距離です。東京と横浜、京都と大阪のような距離感でしょうか。というわけでジョン万次郎は実は僕の住む街のすぐ近くで生活していたのですね。Fairhavenのお隣のNew Bedfordという街には「捕鯨博物館 (Whaling Museum)」があります。実は数日前に訪れたのですがジョン万次郎も写真付きで解説が掲載されていました。
New Bedfordの捕鯨博物館に展示されている「ジョン万次郎」の写真。EngRishman撮影
ハーマン・メルヴィルが捕鯨船に乗り込んでこのNew Bedfordから出航したのが1841年の1月3日です。捕鯨に深く関わりのあったこの二人がひょっとしてどこかで出会っていたかも、などと想像を巡らすと、この歴史上の人物たちが実に身近に感じられなんとも不思議な気分になってきます。それにしてもジョン万次郎もハーマン・メルヴィルも僕達のご近所さんだったのですね。ちゃんとMoby Dick読まないと。でもあれやたら長い小説なんですよ、面倒くさいなあ←おい!
【追記】
2012.2.3 内容を編集・訂正 ジョン万次郎がアメリカ本土に着いた時期について。
2013-3-30 (Saturday) 内容を一部編集
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