Tuesday, September 15, 2009

昔話

9月11日の話を書いていて昔のことを思い出したので、ちょっと書き続けます。

僕が初めてニューヨークを訪れたのは8年前の2001年でした。アメリカで医者として働きたかったので、臨床の現場を見学に来たわけです。アメリカで医師として働くための資格試験を受けに来るのも目的の一つでした。当時はアメリカで臨床をしている日本人の先生をほとんど知らなかったので、ニューヨークで片っ端からお会いしてお話を伺っていました。

それにしてもぶっ飛んだのが、この日本人の先生方のすさまじさ。一人一人のアメリカに来るまでの話がドラマで、小学生のときに読んだ偉人伝そのままのような人が次から次へと出てきたのでした。たとえば現在でも私が深く尊敬するK先生のエピソード。(ちなみにジョンスホプキンスのK先生とは別人)アメリカに来る前、日本で臨床をしながら資格を取るための勉強していたときのこと。日中は忙しいから(日本の先生の忙しさって半端じゃないですよね。つくづく敬服します)、夜しか勉強する時間はない。でも夜はご飯を食べると眠くなってしまう。なので夕ご飯を食べず、コーヒーをひたすら飲んで勉強をしていた、などというもの。いや、実際ご本人からお話をきくと、もうただ畏まるしかないです。この方も非常に偉いのに物腰柔らかで腰が低い。偉い人ナイスかつ腰が低い原則がここでも当てはまります。

翻って自分はどうかと顧みると、反省することしきりです。夕ご飯はおなかいっぱい食べて、眠くなったら勉強飛ばしてねちゃうもんなあ>あかんがな!

9/11 - K先生再び登場

2001年9月11日は多くの方にとって忘れられない日だと思いますが、僕はマンハッタンでTwin Towerに大きな穴が開いていたのを目撃してたので、本当に忘れられない日となってます。今でもその光景やにおい(プラスチックの焦げるようなにおいが立ちこめてました)をはっきり覚えてます。あれから8年たつなんて信じられないなあ・・・

さて、8年後の2009年9月11日はInterventional Bronchoscopyのセミナーが開かれていて僕も参加していたのでした。講師はハーバードやジョンスホプキンスからといった蒼々たるメンツです。ジョンスホプキンスといえば呼吸器専門医試験予備校でもお会いしたK先生が再び登場。「アリゾナ、ボルチモア、ニューヨークとお忙しいですね!」と冗談を飛ばしますが、いや本当に忙しそう。それにしても偉い先生って腰が低いですよね。K先生はそのいい例。非常にナイスで腰が低い。彼はこの分野の第一人者ですが僕のようなぺーぺーが質問してもいやな顔一つせず対応してくれます。まあ、偉い先生の中にはAH(おっと失礼!)な人もいますが。

講義が始まって程なく、1分間の黙祷を皆で捧げます。8年前のあの日は抜けるような青空でしたが、講義当日は冷たい雨が降っていたのでした。

研修医相手の講義

今日は研修医相手に血液ガスの講義。チーフレジデントに頼まれて時々しているのですが、反応が新鮮なのでいつも楽しんでやってます。やっぱり自分は教育に携わっているときが一番楽しめるなあ、と感じる瞬間。準備は大変だし結構疲れるのですが、チーフレジデントから講義後に研修医の反応も上々と聞いてほっとします。

来年からはアテンディングになるので(なれるのかな?)毎日が研修医相手の授業のようなもんでしょう。教育も毎日となるとやっぱり受け取り方が違うんだろうなあ。料理と一緒ですよね。週末にたまにする分には楽しいんだけど、毎日となるとちょっと違ってきますよね。

それにしても渡米した直後なんて英語で一時間しゃべり通しなんて考えられなかったなあ。留学も続けてみるもんです。