Thursday, January 16, 2020

君はGlobal Entryを知っているか?その2


Global Entry申し込み顛末記の続きです。さて、オンライン上で申し込みを済ませ、Conditional Approval (仮認定?)を受けたEng"R"ishmanですが、最後の手続きとして所定機関で面接を受けないと行けません。オンライン上ではマサチューセッツ州では面接をやってない(ほんとかよ?と未だに疑心暗鬼ですが)、ロードアイランド州での面接は7月まで待たないといけない、困った〜と頭を抱える羽目に。

しかし、伊達にアメリカで10年以上暮らしていません。抜け道はあるはずだとロードアイランド州やマサチューセッツ州のインタビュー施設に電話をしてみます。例によって録音音声で「お前らウザいから質問あるならオンラインで調べろよ、それでも質問のある奴は電話番号、名前と共にメッセージを残しておきな、返信するかもな!(注:EngRishmanの意訳です)」という意味の自動音声を聞かされるので、「それでも質問のあるうざい奴だよ!」とメッセージを残します。ま、10年以上の滞在経験からすれば、これで返信が来る確率は非常に低いでしょう。来れば超ラッキーという感じです。日本で普通に暮らしている方には信じられないかもしれませんが、こういう場合録音メッセージを残しても普通に無視される事が(多々)あります。とにかく生身の人間とはしゃべれません。ひどい話ですが慣れとは怖いもので、たまに電話がかかってくると「なんて親切な人なんだ」と感謝さえするようになります。相対性理論という奴ですね(←違うでしょう)。

そこで連中からの返信は待たずにUS Custom and Border Protection (CBP)まで突撃電話です。もらった手紙には

"Thank you for applying to the Global Entry Program. If you have any questions, please visit the Global Entry website at www.globalentry.gov. You may also contact the CBP Info Center at (877) 227-5511 or by visiting their website at https://help.cbp.gov."

とあるので、You may also contactしちゃうよ、というわけでこの電話番号に電話してみます。以下の文章は聞こえた音声を適当にEngRishmanが和訳しているので、「大体こんな感じだった」ぐらいに思ってください。

「英語をご希望の方は1を押してください。」はいはい「1」を押しますよ。ポチッとな。すると「Global EntryなどのTravel Serviceに関する質問の方は1を押してください。」はいはい「1」を押しますよ。ポチッとな。すると「Global Entryに関する質問の方は3を押してください。」はいはい「3」を押しますよ。すると・・

「プツッ・・・ツーツー」

え?あれ?というわけでもう一度かけ直します。はい、最初に1を押して英語を選択し、次にまた1を押して、次は3だよね。

「プツッ・・・ツーツー」

なるほど、そう来たか。アメリカの音声自動サービスで実によくある無限ループです。音声の指示を注意深く聞いて、それに従ってしっかり番号を選択しても繋がらない無間地獄に陥る奴です(ひどい話だ!)。しかし伊達に10年以上アメリカで過ごしてはおりません。オプションをよく聞いて「人間がつかまりそうな」オプションを狙い撃ちしていきます。殆どドラクエのレアアイテム探し状態です。ロトのよろいはどこにあったっけ?という奴ですね。3がだめなら4を試そう・・・とやってみると、「なんと!でんわたいおうしてくれるオペレーターをみつけた!」

「はい、どうしましたか?」
「いや、かくかくしかじかの理由で、面接の予約が全く取れないんだけど助けて」
「あー、なるほど、Global Entryって今凄い人気で、アプリケーション提出してからも凄い待つのよ。あんたアプリケーション提出してから3日でインタビューの許可が下りたんでしょ?超ラッキーよ。人によっては何ヶ月も待つんだから」
「まじっすか?ここは文句言う場面じゃ無くて、むしろラッキーだと感謝する場面?でも6ヶ月も面接まで待てませんよ、3月にすでに旅行が入ってますから。それにロードアイランド州にもマサチューセッツ州にも電話掛けてメッセージも何度も残したのに全然連絡来ないんですよ(期待してないけど)。」
「そりゃそうよ、彼らもものすごい数のアプリケーションに忙殺されて凄い忙しいはずだからなかなか電話に返信する暇ないと思うわ。そうねえ、例えばメイン州で面接とかどう?」
「(行けるわけないだろ)ここからだと車で4時間ぐらいかかりますよ?」
「4時間・・・じゃダメね。あんたロードアイランド州にいるんでしょ?」
「はい、ロードアイランド州で働いています」
「なら、ロードアイランド州での面接の予約を、7月1日でも何日でもいいからとにかくオンラインで入れて、それを待たずに行ける日に直接面接会場に押しかけなさい。キャンセルがでてその場で面接出来るかもしれないから」
「え、本当に?」
「本当、本当、試してみて」

といわれました。話半分感が半端ないですが、ま、ダメ元で試してみるか、と出かけてみます。車で職場から20分ほどの場所にあるので、まあ行けなくもない。情報だけでも手に入れられたら儲けものだろう、ものは試しに行ってみるか。

というわけで、おらが村空港近くにあるCBPのオフィスに行ってみます。行ってみれば係の人がのんびり仕事してます(少なくともそう見えました、もしくはのんびり仕事しているように見せかけて凄く仕事の出来る達人?)。なんだよ、忙殺されて電話に返信する暇も無く忙しく働いているんじゃないの?

「はい、どうしましたか?」
「かくかくしかじかの事情で、とりあえず来てみたんですが・・・」
「あー、そういうことね、じゃ午後4時に来て。面接するから。パスポートとグリーンカード、運転免許証ちゃんと持ってきてね」
「(まじか?)え、そうですか?じゃ午後4時にまた来ます」

というわけで午後4時にもう一度オフィスに来たらあっさり面接してくれました。オンラインで7月まで面接が出来ないと知ったときの絶望感はいずこに?というわけで優しそうな面接官と歓談しながら10分ほどで面接はあっけなく終わり、顔写真と指紋を採って終了。6ヶ月待つところが、あっという間に面接も終わりました。その晩にはGlobal EntryのApprovalのメールが来ていましたとさ、というわけで、Global Entry申し込みの顛末記はこれにて終了。
Drop here!

君はGlobal Entryを知っているか?

Eng"R"ishmanは日本人なので、アメリカに長期滞在するためにはビザが必要になります。最初は交換留学ビザであるJ-1 Visaで7年, 次は特殊労働ビザであるH1-B Visaで(いわゆるJ1 Waiverという奴です)で3年半ほど、足かけ10年半ほど(いや、11年近くかな?)ビザ持ちで米国滞在を果たしたのでした。そして11年目にして晴れてグリーンカード(U.S. Lawful Permanent Resident Status)を手に入れ忌々しいビザ持ちの生活とはおさらばしたのでした。

Visa 持ちで何がうっとうしいかといえばアメリカ再入国の時です。山のような書類を手に米国国境で冷や汗かきながら(かかなくてもいいんだけど)入国審査を受けるわけです。一度カナダで学会があったときなど、ビザのスタンプを押してもらう為に領事館に行ったら担当係の勉強不足で「Jビザで7年も過ごしたのだからアメリカには再入国できない、2年間日本かどこかで過ごすように」と言われました。「いやいや、これはJ-1 waiverと言いまして・・・」と説明してもけんもほろろの対応です。慌てて自分の弁護士(移民やビザ関連専用の弁護士ー長期滞在するためには皆さん多かれ少なかれお世話になる存在です)に連絡して領事館に連絡してもらい、翌日には「あれ間違ってました、すみません、ビザ取りに来てちょーだい」と領事館から連絡を頂き事なきを得た次第です。しかしお陰で帰りの飛行機はキャンセルして予約し直す羽目になるし、帰米は遅れるし、家族にも心配掛けるしで、たまったものではありませんでした。

グリーンカードを得た今となってはアメリカへの再入国がビックリするほど楽になりました。取得して最初の再入国の時など、あまりにも楽なので「え?これだけでいいの?」と拍子抜けするぐらいでした。パスポートやグリーンカードなどの基本的なものを除けば、ビザ所持時のような膨大な書類審査もないし、基本的に飛行機を降りたら、国境審査のKioskでグリーンカードを専用の機械にかけて、指紋を取られ、顔写真を取られ、係員にパスポートとグリーンカードを見せて簡単な質問を受けるだけで再入国出来ます。ビザ持ちの時のネチネチとした国境審査と比べれば天と地との違いです。ビザを所有していたときは再入国の作業がうっとうしくて、日本への一時帰国をためらうぐらいでしたから、グリーンカードを得てから日本や米国外への旅行も心安らかに?行う事ができるようになりました。万が一ビザのトラブルで再入国出来なくなるとしゃれになりません(で、実際そのような悲惨な事例を時々聞きます)。

というわけでここ数年は比較的心穏やかに国境審査を受けていたのですが、最近飛行機で米国に入国する度に見かけるGlobal Entryというロゴが気になっておりました。何やら専用の別のレーンから、長蛇の列に並ぶ我々をあざ笑うかのように素早く国境審査を脱出している人々がいる?これは何?と思っていたら何人かの方に「え?あれだけ旅行していて(EngRishmanは仕事で日本によく帰るんです)Global Entryに登録してないの?超便利なのに・・・?」と激しく勧められました。

というわけでGlobal Entry、登録してみましたのでその顛末記をば備忘録的にここに記しておきます。ちなみにこれ、米国市民か、永住権をもつ人たち、あといくつかの国の人(日本は含まれてない、残念!)のためだけのサービスなので、ビザ持ちの日本人は応募できませんのでご注意くださいませ。Eng"R"ishmanは永住権を持っているので応募可能なのでした。あと、ただでは無くて5年間のサービスに100ドル払う羽目になります。これを高いと思うか安いと思うかは人次第。ただしこのサービスを使っている人は口をそろえて「100ドルの価値は絶対にある!」とおっしゃります。ほほう。

このGlobal Entry、要は自分の情報をあらかじめ米国の政府機関(Customs and Boarder Control)に登録しておくことで「怪しい人物じゃないよ」とスムーズに再入国出来る仕組み、という理解になります。再入国時のトラウマを思うと登録してみたい、とは思っていたのですが、あの忌々しい専門医試験などにはばまれ?なかなか作業が出来ませんでした。さらに言えば、Eng"R"ishmanは基本的に面倒くさいことが大嫌いなので、書類作業など特におっくう(とは言ってもオンライン作業だけなんだけど)でなかなか始められなかったのでした。

その忌々しい専門医試験も無事終わり年も明け、2020年に入りようやく重い腰を上げて面倒くさがりのEngRishmanも書類作業に挑戦したのでした。基本的にオンラインで自分の情報をちまちま入力していく作業ですが、これがネチネチと細かい情報を聞かれて実にうっとうしい。Visaでアメリカに滞在していた頃の悪夢の10年間が蘇ります。あの時は本当に書類地獄でした。何を隠そうEngRishmanは書類作業一般が本当に苦手で、出来ることなら書類なんぞは避けて平穏な人生を過ごしたいのですが、このVisaに関しては地獄の書類作業の連続でした。それほどではないにせよ、このGlobal Entryのオンライン入力、実にうっとうしい。でも悪態をつきながら入力していたら、いつの間にか30分ほどで終了。なーんだ、こんなに早く終わるならもっと早くに申し込めば良かったよといういつものパターンです。あとは自分の入力した情報が審査に掛けられ、合格したらインタビューという流れです。

とういうわけで、オンライン作業終了から数日で「書類差審査合格 (Conditional Approval)」の連絡が。あとは専用機関でインタビューを受けるだけです。が、ここで罠がありました。おらが村ことロードアイランド州でのインタビュー可能な日付をみたら、すでに6月までインタビューの予約でいっぱいで空きがないではありませんか!一番早くてもインタビュー可能な最初の日は7月1日??6ヶ月待ち?いやいやいや、ご冗談でしょうファインマンさん?おとなり街のマサチューセッツ州は?え?いまインタビューはやっていない?え?は?というわけで1ヶ月以内にインタビューできる「近くの」場所を探したらなんとニューヨークやメイン州などしかでてきません。「まさかこのためだけに何時間も掛けて家族を犠牲にして旅行なんかしないよね?」と妻にはやんわりと釘を刺され退路を断たれます。というわけでこのオプションは最初から無かったことに。困った〜というわけでこの大河ドラマは続きます(かもな、←おい!)