Monday, May 27, 2013

目に映る物は同じですが・・・

ちょっと訳あってシャーロック・ホームズを読んでおります。探偵小説ですが、医師にとっても非常に実用的なセリフが散りばめられております。そのなかの一つが以下のもの。

"I see no more than you, but I have trained myself to notice what I see."
(Sherlock Holmes: The Blanched Soldier, Sir Arthur Conan Doyle)

クライアントが口を開く前にたちどころに素性や依頼内容を言い当てるホームズに驚いて「全てお見通しなんですね」というクライアントにホームズが言うセリフです。クーっつ、しびれる文章ですね。ところでシャーロック・ホームズを書いたSir Arthur Conan Doyle自身もそういえば医師ですよね。あの頃の医師(20世紀初頭のイギリスの医師)がどのように診察していたか、実に興味がつきません。

それにしても僕も胸を張って"I have trained myself to notice what I see"と言えるようになりたいものです。

Wednesday, May 15, 2013

ひがひがしからん人

ビジネスEメールではとにかく言いたいことが伝わるように、簡潔を旨とし余計なことは書かない。と言われているように思います。しかし、徒然草を読んでいると、今朝降った雪のことをメール(文)に書かなかったために兼好先生がお願いを聞いてもらえなかった事例が述べられておりなかなか興味深いです。簡潔に文章を書きながら「ひがひがしからん人(=情趣を解さない人)」にならないのも難しいですね。以下に引用を載せておきます。それにしてもあの当時、メールがちゃんとその日のうちに届いていたんですね。ビックリ。

http://melisande.cs.kyoto-wu.ac.jp/eguchi/pdd/turedure.html

徒然草・第三十一段

雪のおもしろう降りたりし朝(アシタ)、人のがり言ふべき事ありて、文(フミ) をやるとて、雪のこと何とも言はざりし返事(カヘリコト)に、「この雪いかゞ見ると一筆(ヒトフデ)のたまはせぬほどの、ひがひがしからん人の仰せらるゝ事、聞き入(イ)るべきかは。返(カヘ)す返(ガヘ)す口をしき御心(ミココロ)な り」と言ひたりしこそ、をかしかりしか。

今は亡き人なれば、かばかりのことも忘れがたし。

締め切りのある文章を書くということ

只今原稿の締め切りに追われておりますが、締め切りのある文章を書くというのは心踊る作業とはなかなか行きせん。しかし、苦しみながら文章を書き上げると、ちょっとは成長した気分になれるので、それを楽しみに何とか頑張る所存です。その点、このブログは全く締め切りがないので実に気楽に書いております。そういう文章も自分にとっては必要ですよね。え?お前の駄文は必要ないって?ガハハ、失礼しやした。

このブログも初めてから7年近くが経過しております。飽きっぽい自分にしては驚異的なことです。締め切りを決めずに好きなことばかり書いてきたから続いているとも思えますがどうなんでしょ?

ガシガシ原稿を書き上げている人を見ると、つくづく羨ましくなります。こういうのって毎日の作業に落としこんで習慣化しないとしんどいんだろうなあ・・・反省猿