Sunday, August 09, 2020

JAWS、Moby Dick、ジョン万次郎。そしてCOVID-19

皆様お久しぶりです、EngRishmanです。何と言うことでしょう。最後にブログを更新してから半年以上が経ってしまいました。3月頃からあの忌々しいCOVID-19の波にのまれ、生活に大きな影響が出たのが大きな理由です。EngRishmanは米国東海岸で呼吸器・集中治療医として働いておりますので、当然ながらICUでCOVID-19の治療にも当たっております。専門医試験直前の状態ではありませんが「ブログどこじゃねえ」気分で、ブログ更新も大幅に滞り、皆様お待たせしており大変申しわけありませんでした。というわけで久しぶりの更新です。これからも気が向いたら更新しますね(しないかもな←おい!)。あ、お陰様で今までのところ元気にしております。

さて、最近子供達にせがまれてJAWSという映画を生まれて初めて最初から最後まで通して見ました。EngRishmanが子供の頃既に「凄く怖い」と大変話題になっていたこの映画、一部分を観たことはあっても、映画全体を通して観たのは初めてなのでした。



さて、見終わっての感想ですが、いやはや脱帽です。JAWSは人を襲う巨大鮫(ホオジロザメ)にまつわる恐怖・パニック映画ですが40年以上前の作品にもかかわらず、実によく出来た映画で流石名監督Steven Spielbergの出世作だけのことはあります。詳しくはネタバレになるのであまり述べませんが、観てみると明らかにHerman MelvilleのMoby Dick(日本語タイトルでは「白鯨」)に影響を受けていることが分かります。さしずめChief BrodyはMoby Dickの語り部、Ismail(とStarbuckを併せたような設定?)、QuintはCaptain Ahab、Orca号はPequod号というところでしょうか?流石名監督Steven Spielberg、40年以上前の作品でありながら、観るものを全く飽きさせない、現在においても色あせない素晴らしい作品です。サメの出現を警告するBrodyを無視して「夏という稼ぎ時なのに観光客を怖がらせる気か」とBeachをOpenさせる市長やその取り巻きなど、なんだか現代にも通じる既視感を覚えます。

ところでこのJAWSの舞台は(映画の原作の小説では)Amity Islandというニューヨークはロングアイランド沖の架空の島ですが、実際映画が撮影されたのはマサチューセッツ州の観光名所Martha's Vineyardという島です。なんと我が家のご近所です。ちなみにおらが村からは車で一時間程かけてWoods Holeという街まで移動し、そこから45分ほどフェリーに乗れば到着です。正味合計2時間ほどでしょうか。ちなみにおらが村から車で30分ほどのNew Bedfordという街からもフェリーがでていて、そこからだと1時間ほどフェリーに乗れば到着です。EngRishmanも一度訪れたことがありますが、こじんまりとして綺麗ななかなか良い観光地で夏は大分賑わいます(このあたり、映画と重なりますね)。
https://seastreak.com/ferry-routes-and-schedules/between-new-bedford-marthas-vineyard-ma/

前にも書きましたがNew Bedfordはジョン万次郎ゆかりの土地(正確にはお隣街のFairhavenですが)で彼が青年時代10年ほど過ごした場所であります。Herman Melvilleも同時代にここから捕鯨船にのって出港したのでした。JAWSを観たことで様々な人・作品・場所などがつながりちょっと嬉しくなったのでした。まさかJAWSで日本と繋がるとは。またネタバレになるので詳しくは述べませんが、会話の中に広島も登場します。映画が公開された1975年といえば、戦後30年、まだまだ第二次世界大戦を直接経験した人がしっかり存在することを思い起こさせます。

ちなみにホオジロザメは映画で描かれていたのとは異なり、人を直接攻撃することは少なく、アザラシを餌にするそうです。でも、米国は東海岸で泳ぐ人、サメが最近登場しているらしいので気をつけてくださいね。ホオジロザメとはサイズは全く異なりますが、SARS-COV2 (が引き起こすCOVID-19)も実に厄介ですよね。皆様のご健康とご無事をお祈りする次第です。