Sunday, March 06, 2011

アメリカで医師免許を獲得するまで USMLE and Beyond

日本だと医師国家試験に合格すればすぐに医師免許がもらえ、日本全国どこでも医療行為ができます。アメリカはちょっと違います、というかすごく違います。アメリカは試験に合格したからといって医師免許は自動的に手に入りません。さらに州ごとに医師免許を申請しないといけません。日本とアメリカの医師免許を両方持つEng"R"ishmanが以下に医師免許試験と、試験合格から免許取得までのプロセスについて述べさせて頂きます。

【更新情報】May 24, 2018 アメリカで医師免許を獲得する:マサチューセッツ州編 をアップしました。合わせてお読みいただけましたら幸いです。
【更新情報】July 4, 2018 以下の記事を更新しました。
アメリカで医師免許を獲得する:マサチューセッツ州編 1
アメリカで医師免許を獲得する:マサチューセッツ州編 2
アメリカで医師免許を獲得する:マサチューセッツ州編 3

(1) 米国医師免許試験 United States Medical Licensing Examination (USMLE) について

アメリカも日本と同じで、医師免許取得のためにはまず医師国家試験に合格しないといけませんが、これはおおまかに3段階あります。United States Medical Licensing Examination (USMLE) Step 1, Step 2 (CK, CS), Step 3 がそれにあたります。

(1-1) USMLE Step 1
 Step1 はおおまかに基礎医学の知識ががメインで問われる試験、ちなみにコンピューター画面上で正しい回答を選択するというのが基本形式。Multiple-choice formatというやつですね。ちなみに僕がうけたときはまだ紙ベースでマークシートでした。年がばれますな。ちなみに受験は日本、というか東京でできました。学生の時に京都から受験のためだけにえっちら上京した懐かしい思い出が。僕が受験した当時はたしか一年に2回程度開催されていたと思います。コンピュータ上で受けられる現在は東京だけでなく、複数の箇所で、しかも受験日も比較的自由に選べるようになったと聞きます。羨ましいっす。僕が受験したときはインターネットがまだ世に出始めたばかりで、極東にはアメリカの医師免許試験の情報も余り出まわってなかったんですよ。グスン。

(1-2) USMLE Step 2 (Step 2 CK / Step 2 CS)
Step 2 は臨床系の知識、技能を問われます。Clinical Knowledge (CK)がいわゆるコンピューター画面上での試験であるのにたいして、Clinical Skills (CS) は実技試験です。アメリカに幾つかある試験会場まで出かけていって、そこで模擬患者さん(俳優さん)を実際に診察し、カルテに記載するわけです。その他の試験は日本で受験可能なはずですがStep 2 Clinical Skillsだけはアメリカまで出かけないと受験できません。ええ、はるばるフィラデルフィアまで受験に行きましたよ。今までの受験人生の中で最悪にめんどくさかった試験 (更新:National Board of Echocardiography が記録更新:最悪にめんどくさい試験です。合格したから良かったけど・・・)でトラウマになりました。お陰でしばらくフィラデルフィアに近づくと拒否反応が・・・(最近ちょっとましになってきました。フィラデルフィアの皆様、すいません、悪気はないんです。悪いのは全てあの忌々しいClinical Skills Assessment (CSA: 昔はStep2 CSをこう呼びました) のせいです。フィラデルフィアは歴史に満ちた良い街だとこの間の学会ではしみじみ思いました)

(1-3) USMLE Step 3
Step3はさらにStep2から踏み込んだ臨床系の知識が問われる試験です。ちょっとゲームのような変わった試験形式の部分があり楽しかったです(今でもあるのかな?)多くの人は研修医としてのトレーニングが始まってからこの試験(Step 3)を受けます。あれ?と思いません。そう、病院で医療行為するのに、かならずしも医師免許は必要ないんですね。研修医であればStep2まで合格していれば上級医の監督のもと、教育病院で医療行為ができるのです。僕はアメリカで研修を始めてから受験しました。あまり点数を気にしなかったのでStep1やStep2と違い、ほとんど試験準備をせずに(言い訳すると、普段から勉強してるから特別な勉強せんでも大丈夫なはず!と思ってました←ほんまかいな?)受験するというあまり褒められない状態でしたが有難いことに合格してました。

(1-4) ECFMG Certificate - 医師免許ではありません
外国の医学部を卒業し、アメリカで医師として(研究ではなく)医療行為をして働きたい場合、ECFMG Certificateを取得する必要があります。必要条件としてUSMLE Step1, Step2 CK, Step 2 CSの合格が挙げられます。ここまで合格すれば一段落、というわけです。ただしECFMG Certificateは医師免許ではありません。時々誤解されているように思うのですが(ECFMG Certificateが、あたかもそうであるように翻訳されている記事を見かけることがありますが、それは間違い)、ECFMG Certificateは医師免許の前の段階に過ぎず、米国の医師免許を取得するためには更に試験(USMLE Step3)と様々な書類作業や条件が必要になってきます。以下に続きます。


(2) 医師免許試験 (USMLE) 合格から実際の免許取得まで

さて、遂にStep3まで合格しました。医師免許は自動的に送られてくるでしょうか?送られてきません。医師国家試験合格と医師免許保持は同じではないのです。ここが日本と違うんですよね。(細かいことを言えば、日本も国家試験合格から幾つか書類作業はありますが、段違いです。それに申請から6ヶ月とかかからないですよね?)Step3まで合格して、ここから初めて州の医師免許申請が始まります。そう、免許も全米で有効なわけではなく、州ごとに有効なのです。ニューヨーク州で医師免許を持っていても、マサチューセッツ州で働けるとは限りません。ややこしいですよね。実はこの記事ではこの部分を書きたかったんです。試験合格から免許取得までは長い長いプロセスが始まります。僕の場合初めて申請したときに半年近くかかりました。多くの州で、医師免許申請に大きく2つのパートがあります。

(a) Federation of State Medical Board (FSMB - 連邦医師免許ボード) における書類審査と、
(b) 州ごと(正確には州のDepartment of Health)の書類審査です。

多くの州ではこのFederation of State Medical Board: FSMB(というかその所属機関であるFCVS:Federation Credentials Verification Service) から書類審査を受け合格?していることが大きなポイントとなります。FSMBから州のDepartment of Healthに書類が届くまで、実質州での書類審査は始まりません。

このFCVSによる書類審査が、モーレツに鬱陶しい。山のような書類審査があります。とくに外国の医学部(僕であれば日本の医学部)を卒業していると審査に余計時間がかかります。書類もお役所的にネチネチとチェックされ、「規定に合わない」と突っ返されることもしょっちゅうです。一回など「出生証明書に不備がある」と突っ返されたことがありました。ちゃんとニューヨークの日本領事館で発行されたれっきとしたBirth Certificateですよ。これがだめなら、なにが良いんだと怒りの電話をかけたら「上司と相談してくる」そののち「ま、この書類でもOKということになったので宜しく」といった意味の返事を頂きました。大変です。そうこうして、数カ月してようやくFCVSから申請州への認可の手紙が送られるわけです。FCVSから「この人物の医師免許申請を認可する」旨の書類が州のDepartment of Health (DOH)に届くまで、実質DOHでの作業は始まらないといっても良いかもしれません。これが揃って(他にも山のように書類を提出するのですが)ようやくDOHでの最終認可の作業と相成ります。

僕は書類作業が猛烈に苦手な人間なので、この一連の作業が本当にストレスでした。こうして苦労して手に入れた医師免許証は雨の日に普通郵便で玄関に打ち捨てられるように届けられてましたとさ(←実話)。お陰で免許証が濡れて一部ふやけてます(涙)ということで免許申請の話はこれにて一件落着?

(3) ドキュメントスキャナーの活用

ここで、はなしが大きくもどって、ドキュメントスキャナーの登場です。FCVSからよくファックスでこの書類を送れ、と要求がきました。このファックスで送る作業が実に大変。ちゃんと指定先に送ってるのに「届いてない」とけんもホロロの返事がしょっちゅう。もう一度ちゃんとチェックしてよ、と電話口で(この電話がまた繋がりにくい)頼むと「ああ、あったよ」ですよ。「送った」「受け取ってない」の連続です。ウッキー!!こういうやりとりにほとほと疲れたので最近は「ファックスの代わりにスキャンした書類をメールで送れない?」と聞くことにしてます。そのほうが、お互いハッピーになれる場合が多いのです。これなら無くならないし、送った証拠も残りますしね。

というわけでドキュメントスキャナーは大活躍です。ボタン一発で重要な書類はPDFとしてクラウドに保管され(ちゃんと事前に設定する必要はあります)、そこからメール添付一発で送れ、しかも「送った」「受け取ってない」系トラブルを回避できます(←これが凄く重要)というわけで、「もっと早くに買っておけば良かったー」なのでした。お後がよろしいようで。 というわけで、だいぶ違う日米の医師免許申請事情なのでした。

(4) 関連のリンク

ところで、この話は僕のブログのかなでも圧倒的に読まれている記事なんですね。元の記事はツイッターに1時間ぐらいかけて適当に投稿したものなのでびっくりです。アメリカの医師免許に関心のある方のためにその他の記事へのリンクも張っておきます。ご愛読誠にありがとうございます。

免許の更新とCME
CME (Continuing Medical Education) 続き

【編集履歴】
2011-8-13 タイトルを変更しました
2011-8-13 さらに内容をちょっとだけ編集
2011-8-18 内容を編集
2012-1-25 内容を編集
2012-2-14 内容を編集
2012-3-5 内容をさらに一分追加
2012-6-3 内容を一部編集
2012-6-18 (Monday) 内容をさらに追加編集
2012-9-23 (Sunday) 内容を一部編集
2012-9-28 (Friday) 内容を一部追加編集
2012-10-8 (Monday) 一部編集
2013-2-23 (Saturday) 内容を一部編集、追加、リンク先を修正




【追記 on 2012-6-18 (Monday)
ところで、この記事は僕のブログの中でぶっちぎりで読まれている記事なんですね。びっくり。本当に最初は一時間ぐらいかけて、さらさらって書いた記事だったんです。米国の医師免許の情報ってそこまで皆様の興味を惹かれるものなんでしょうか?もし、「米国医師免許にからんでこんな話が聞きたい」などございましたら、メッセージを頂けましたら幸いです。ご愛読誠に有難うございます。

【追記その2 2012-9-28 (Friday)】
この記事って、本当に僕のブログの中でぶっちぎりで読まれている記事です。本当にびっくり。他に米国医療事情で「こんな話が聞きたい」などありましたらご連絡いただけましたら幸いです。重ねご愛読に感謝申し上げる次第です。

27 comments:

hiroko said...

こんにちわ

ブログの記事読みました。
日本で医学部を目指して勉強している、高2の女子です。
アメリカの医師免許は、日本のように試験に合格すれば
すぐにもらえるわけではないんですね。
その難しさに驚きました。
私は将来、アメリカで医師として働きたいと思ってます。
私は今まで、
「大学を卒業したら、アメリカの医師免許をとって向こうで生活しよう」
と簡単に考えていましたが、想像していた以上に難しいんですね。
そこで先生に質問したいのですが、
アメリカで臨床医として働く、
一番現実的な方法を教えてもらえますか?
 
ちなみに英語は、3年ほどアメリカのコネチカット州に住んでたので
日常会話程度なら話せます。

お返事くれたら嬉しいです。
britney_s823@yahoo.co.jp

Taro Minami a.k.a Eng"R"ishman 南 太郎 said...

はじめまして

コメント有難うございます。あまりこのブログにコメントつくことないので、張り切って書いちゃいますね。

「アメリカで臨床医として働く」ためには大きく2つの道があると思います。

(1)アメリカの医学部を卒業してがMDの学位を取る
(2)日本の医学部を卒業してMDの学位を取る

(1)アメリカで臨床医として働くには、アメリカの医学部を卒業するのが一番確実な方法だと思います。ただし残念ながら僕自身経験がないため詳しくお伝えすることができません。ただし、アメリカの医学部を卒業して、アメリカで臨床医をされている日本人の先生はいらっしゃいます

さて(2)が日本人としては一般的なパターンだと思います。僕も日本の医学部を卒業し、日本で数年医師として働いてから渡米して臨床医として働いております。

(2)からアメリカで臨床医として働くためにはさらに大きく3つのプロセスがあります。

A アメリカの医師国家試験(USMLE)に合格する
B アメリカの研修医のポジションを獲得
C アメリカの医師免許を取得

実は研修医として働く分にはCは必ずしも必要ありません。医師免許はフェローや、指導医になった時に必要になってくるんですね。なので、AとBがメインのプロセスになります。実はこのBのプロセスが一番大変なんですね。Matchingというプロセスを経て、希望する病院に応募するわけですが、アメリカの研修医のポジションには世界中から応募があります。そのなかで選ばれるためには
a) 高いUSMLEのスコア
b) 素晴らしい推薦状
c) 卓越した英語力
などが必要になってきます。あなたの場合 c)は大丈夫ですよね?なのでa) b)が一番の肝です。
また、最近アメリカはどうやら海外の医学部を卒業した人達のアメリカでの就職を制限しようとする動きがあるようなので、これにも注意が必要です。詳しくは
http://www.ecfmg.org/
などを研究されるといいと思います。

とりあえずここまで、また追記するかもしれません。重ね、コメント有難うございます!

Anonymous said...

こんにちは。とてもわかりやすく解説していただいてとても参考になりました、ありがとうございました。USMLEをこれから受けようとする場合には、教材はどのようなものがいいか、ご推薦はありますか?最近これ http://www.usmleworld.com/home.aspx を見つけました。itunes でもいろいろ見つけました。全部同じなのか?とか迷ってしまいます。
何かありましたら教えていただけますとうれしいです。

Taro Minami 南 太郎 said...

こんにちは、お返事が遅くなり大変申し訳ありません。僕が受験したのは10年以上前の話で古くて申し訳ないのですが、usmleworld は当時から出回っていたと思います。Kaplanの問題集も大分流行っているように思います(すみません、又聞きのような話で)。今度、USMLEを受けたてホヤホヤの研修医の先生たちに話を聴いてみますね。

Taro Minami 南 太郎 said...

周囲にいる研修医の先生方を捕まえて聞いたらカプランのコースや、usmle worldを使っていた、とのことでした。またなにかアップデートがありましたら載せていきます。

Anonymous said...

はじめまして。4月から日本で研修医になるものです。漠然とアメリカで働きたいと思っていましたが、あるきっかけがあり必ず実現したいと思うようになりました。

先生は日本で研修後に行かれたのでしょうか。日本での研修後、アメリカで働くまでの間医局に属すべきなのか、フリーで経験を積むべきなのか、ご教授頂けたらと思いコメントさせて頂きました。
よろしくお願い致します。

Anonymous said...

>先生は日本で研修後に行かれたのでしょうか。
→先生は日本で研修後に行かれたとのことですが、
の間違いです。すみません。

Taro Minami 南 太郎 said...

はじめまして、丁寧なコメントを頂き有難うございます。さて、周囲を見回してみますと医局に所属されていた方、フリー(大学医局に所属しないと理解します)の方様々ですが医局に所属しない方のほうが多かった印象があります。ちなみに最近ハーバードの島田悠一先生編集の「米国留学のすべて」という本が出版され(僕も少しだけですが執筆してます)、かなりのケースが掲載されてますので参考になるかもしれません。よろしかったら読んでみてください。
http://www.amazon.co.jp/%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E7%95%99%E5%AD%A6%E3%81%AE%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%A6-%E5%B3%B6%E7%94%B0-%E6%82%A0%E4%B8%80/dp/4784943501
あ、なんだかちょっと宣伝になってしまいましたが、ご参考になればなによりです。このような場末のブログまで来て頂き誠にありがとうございました!

Taro Minami 南 太郎 said...

ちなみに「医局に所属すべきか否か」という質問には一概に答えにくいですね。将来したいことにも拠ると思いますし。ちなみに僕は医局に所属していたのですが、臨床留学に理解のある医局で実にありがたかったです。そこで学んだことも今非常に役立ってますので、個人的には「良かった」と言えますが、まあこれは本当に人それぞれです。様々な人の経験談に触れて、色々と考えてみてください。それではまた!

kazuki said...

初めまして。
日本の大学の受験を控えた高校3年生です。

アメリカで臨床医として働くことについての情報が少ない中、先生のブログは大変参考になります!
ありがとうございます。

もう既に詳細な道標は示されていると思いますが、
Matchingを通して、アメリカの研修医のポジションを獲得する際に、日本の大学名は影響するのか?ということについてお伺いしたいと思います。

日本では偏差値基準ですが、アメリカでは大学ランキング?
(例)
http://www.topuniversities.com/university-rankings/university-subject-rankings/2014/medicine#sorting=rank+region=+country=+faculty=+stars=false+search=

が評価基準になるということを耳にしました。
現在のアメリカの雇用状況をみるに、これから更に外国人がアメリカで職をえるのは難しくなっていくとのでは、、、とビクビクしています。

ご教授のほど、よろしくお願いします。

Taro Minami 南 太郎 said...

Kazuki様、

高校生のうちからアメリカで働くことを考えているのですね。凄いなあ!

手短にですが質問への答えは「日本の大学名はMatchinのプロセスに影響することがありえます」です。名前の通った大学(東京大学医学部とか京都大学医学部ですね・・・まあ、これには議論もあるとは思うのですが)出身であれば、それがプラスに作用することはあると思います。採用する側が過去にその医学部出身者と一緒に働いたことがあれば、それもプラスに作用すると思います。名前があまり通ってない大学出身がマイナスに作用するのか?というのはよく分かりません。

このような答えで良いでしょうか?ご参考になれば幸いです! 南太郎拝

kazuki said...

回答ありがとうございます!

やはり少なからず影響するのですね。
そうしますと、所属する日本の大学と協定している(交換留学など)アメリカの大学病院への就職はしやすくなる可能性があると考えても良いのでしょうか?

しかし、まずは
a) 高いUSMLEのスコア
b) 素晴らしい推薦状
c) 卓越した英語力
この3つですよね。

この3つの条件、どの程度の成績、評価が必要になるのでしょうか?(素晴しい、卓越という言葉が並んでいますが(笑))
外国からアメリカの研修医のポジションを狙う皆さんが、好成績だとは思いますが、差がつかないという現状なのでしょうか?

よろしくお願いします。

Taro Minami 南 太郎 said...

Kazuki様

>そうしますと、所属する日本の大学と協定している(交>換留学など)アメリカの大学病院への就職はしやすくな>る可能性があると考えても良いのでしょうか?

可能性はあります。ただ、交換留学を利用して自分が個人としてアメリカの大学病院側に覚えてもらわないとあまり効果はない気もしますが。名前の通った出身大学に関しては前に述べたとおりです。

>この3つの条件、どの程度の成績、評価が必要になるのでしょうか?

回答しやすいものからいきますね

卓越した英語力:
TOEFL iBT (120点満点) でいえば、110点以上でしょうか?最低100点は欲しいところです。ちなみに高いTOEFL点数を保持していても卓越した英語力はかならずしも保証されませんが、高い点数を保持していない場合、卓越した英語力はまずないといって良いでしょう。つまり最低条件としてTOEFLの点数の目安はこのぐらいですよということです。ちなみにおらが街のブラウン大学医学部は見学に必要なiBTの点数は 100点が足切りです。つまり100点ないと見学すら出来ませんが、まあ妥当なところです。医学部によっては90点台でもOKなところもあるようですが、詳しくは知りません。

高いUSMLEのスコア:
これはあくまでも個人的印象ですが、240点ほどでしょうか?230点でももちろん応募はできると思います。かならずしも杓子定規に点数で決まるわけではないと思いますので、240点行かないからダメだ、ということにはならないと思います。もちろん一発合格が条件です。(失敗は記録に残るので)

推薦状:
数値化出来ませんがアメリカの大学医学部の臨床系Facultyによる素晴らしい推薦状が良い推薦状といえましょう。つまりあなたの臨床能力をアメリカの大学病院でつぶさに観察してもらった上で「素晴らしい」と評価してくれる人の書いた推薦状が良い推薦状といえると思います。

以上です、でも、なにはともあれ英語力ですよ!というわけで当ブログのメインテーマに戻って来ましたね(笑)、でも本当ですよ。「TOEFL?え?満点とったけど?」ということであればどうかご自身の方法でがしがしお進みくださいませ(笑)。ご参考になれば幸いです!

南太郎拝

kazuki said...

とても詳細かつ丁寧な回答ありがとうございます!!

本当になにはともあれ英語ですね。。
USMLEも超高得点。
自分の認識の甘さがよ〜く分かりました(笑)

まだ学部入学前にこのようなお話を聞けたことを幸運に思います。
まずは、第一関門です!

本当にお忙しい中、丁寧に回答していただきまして、ありがとうございました。



yuka said...

はじめまして。私は国公立大学の医学部で4月から2年生になります。アメリカで医師免許を取りたいと考えており、このブログを拝見させていただきました。語学留学も長期休暇の間に一回して、またできれば何回かしてみたいと考えています。
質問ですが、一番最短でアメリカ医師免許が取れる方法はなんでしょうか。アメリカの大学に編入できればしたいですが、難しければ日本の大学を卒業してから研修医の期間を経ずに、免許獲得に向けて勉強可能でしょうか。
もし質問が重複していましたらすみません。

Taro Minami 南 太郎 said...

Yukaさん

はじめまして、まずはお返事が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。最近このブログも更新が滞っていて申し訳ないです。さて、医学部に入られて2年目になるとの由、おめでとうございます。

ご質問に対する答えですが、アメリカの医師免許を取るために、アメリカの医学部に入る必要はありません。細かいことを言い出すと色々ありますが、長くなるので割愛します。僕も日本の医学部を卒業しましたがこうして(とお見せできないのが申し訳ないですが)アメリカの医師免許を取得しております。医師免許を取得するための最初のステップは、このブログにもあるようにアメリカの医師免許試験USMLEを受験することです。受験資格などありますので、まずはWebsiteなどを読んで研究してみてください。ただ、将来アメリカで臨床の医師として働きたい場合、ハードルとなるのは医師免許の取得よりは研修医のポジションの取得です。上にも書いたかもしれませんが、試験はただ合格するだけでなく、高得点で合格する必要があります。

試験勉強ですが、学生のうちから出来ますし、受験もできるはずです(特にStep1は)。僕は学生のうちにUSMLEのStep1は合格しました。ただ繰り返しになりますが、高得点で合格することが肝心です。というわけで、ご質問への答えになっていれば良いのですが。医学部での生活、楽しみながら頑張って勉強して良い医師になってくださいね。

南太郎拝

yuka said...

丁寧なご回答ありがとうございました。
まずは学校の勉強をして学生時代にstep1が高得点で合格できるように頑張ります。

TOMOKO said...

初めて質問させていただきます。

私の主人はアメリカ人で現在、USMLE Step1 を来月受験する予定です。
TaroさんはStep2(CS)合格までのどのくらいの期間を費やされましたか?
主人は大学でAcademic分野は既に終えています。残すところClinical Rotations のみです。
参考までに教えていただけると嬉しいです。

Taro Minami 南 太郎 said...

Tomoko様

大都会の片隅でひっそりと営業している居酒屋のような当ブログをご愛読いただき誠にありがとうございます。僕は6年生の秋にStep1を受けてました。医学部卒業から日本で研修をしていた数年間は研修をサバイブするのに精一杯でUSMLEどころではなかったので、結局研修医を終えてStep2 CSを合格するまで、つまりStep 1からStep2CS合格まで5年ほどかかっております。ただ周囲のForeign Medical Graduateを見渡せばStep 1, 2の合格までに大体2年ぐらいというのが平均のような印象を受けます。あくまでも僕個人の狭い経験のなかでの印象ですのでご留意の程を。ご参考になれば幸いです。

南太郎拝

Kazuki Toda said...

南先生、初めまして。

将来アメリカで研修を受ける事を考えている者です。僭越ながら、まずは私の経歴を軽く紹介させて頂きたいと思います。

学歴:現役医学部生
学年:四年
志望する科:脳神経外科
大学の成績:決して良くはない
英語力:帰国子女。三年前のTOEFLiBT 100

南先生のブログの記事を読ませて頂きました。とても参考になる内容ばかりで、重宝しております。

記事を読ませて頂いた上で幾つか質問があります。日本の医学部卒後すぐにアメリカで研修医として働くことは可能でしょうか?また、可能でしたらそのメリット、デメリットはどのようなものが挙げられるのでしょうか?

アメリカで受け入れ先を探す上で重要なのは、USMLE step1の得点、推薦状、英語力との事でしたが、国試や英語力については努力次第として、推薦状に関しては私は殆ど知識を持ち合わせておりません。私の場合、6年次に大学のカリキュラムの一部として海外臨床実習でアメリカに留学する予定なのですが、その時の先生に推薦状を書いて頂くというのは有効な手段になり得ますか?

もし上記の様な事が非現実的であるならば、アメリカで研修を受けるタイミングとして適切な時期はいつ頃だとお考えになりますか?

南先生のお時間の許す限りで返事を頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。

Taro Minami 南 太郎 said...

Toda Kazuki君

はじめまして、丁寧なメールをありがとうございます。

さて、早速質問にお答えさせていただきます

(1) 日本の医学部卒後すぐにアメリカで研修医として働くことは可能でしょうか?
→可能だと思います。僕は卒業して(日本での臨床実習が全くなく)アメリカで研修医をされた方は存じ上げませんが、卒後1年して、という方なら思い浮かべることができます。ECFMG Certificateを獲得しているならば、少なくともアメリカの研修ポジションに応募することはできるはずです。

(2) また、可能でしたらそのメリット、デメリットはどのようなものが挙げられるのでしょうか?
→あくまでも内科医としての(脳神経外科医ではない)私の経験ですのでご留意頂きたいのですが、デメリットは日本でのユニークな研修を受ける機会を失うことではないでしょうか?日本で働いてみて(学生ではなく)初めて分かる現状もあると思いますし、日本でしか受けられないユニークな研修を受ける機会を逃すのは勿体無い気もします。あくまでの私の狭い経験からの限られた意見ですが。メリットはやはり若いうちに研修を体験したほうが、英語も上達しやすいし(Toda君の場合当てはまらないかもしれませんが)、体力的にも有利でしょう。僕は卒後5年して留学しましたが、あと1−2年はやく留学してもよかったかな、と思ってます。

(3) 私の場合、6年次に大学のカリキュラムの一部として海外臨床実習でアメリカに留学する予定なのですが、その時の先生に推薦状を書いて頂くというのは有効な手段になり得ますか?
→なると思います。特に臨床の(研究ではなく)ファカルティで、Toda君のパフォーマンスを実際に観察された方の推薦状であれば素晴らしいと思います。もちろんその内容が重要なわけですが(つまりあまりパフォーマンスを認めていただけなかった方からの推薦状は帰って足を引っ張る可能性もあります。

(4)もし上記の様な事が非現実的であるならば、アメリカで研修を受けるタイミングとして適切な時期はいつ頃だとお考えになりますか?
→これに関してはなんとも言えません。周囲を見回せば実に様々な方がいらっしゃいます。(2)の解答をご参照くださいませ。

以上です、ご参考になれば幸いです。ちなみに応募にあたって大学の成績は当然資料として参考にされる可能性がありますし(というかおそらく参照されるでしょう)、USMLEはStep1 のみならずStep2 も大事です。

頑張ってくださいね!

南太郎拝

kohdai said...

初めまして。
将来アメリカで医師になることを目指している、タイのインターナショナルスクールに通っている高校1年男子です。
先生に質問があります。
アメリカで医師なるにはやはりアメリカの大学へ進学したほうがいいのでしょうか。
また、日本の医学部へ進学した場合とアメリカ、または他の国の大学へ進学した場合とではどちらのほうが、有利にUSMLを取得することができますか。

先生の空いている時間でいいので、返信をいたただけるとうれしいです。

Taro Minami 南 太郎 said...

Kohadai君、コメントありがとうございます。高校1年生で、アメリカで医師として働くことを、しかもそのプランを考えているというのは凄いですね。我が身を振り返ると恥ずかしくなるばかりです。

さて、アメリカで医師となるにはアメリカの大学に進学したほうがよいか、という質問ですが、答えはずばり「アメリカの大学、というかアメリカの医学部に進学したほうが良い」と思います。将来ずっとアメリカで過ごす予定なら、それが一番でしょう。アメリカの医師免許はアメリカで医師として働く為の一つのステップであり、医師として働く必要条件の一つに過ぎません。それはアメリカの医学部を卒業しなくても取れるでしょう。

ただし、アメリカで医師としての職を得るためにはアメリカの医学部を卒業していたほうが圧倒的に有利だと思います。良い推薦状ももらいやすいし(もちろんもらえる保証はないわけですが)、何よりもアメリカの医学部出身かどうかは一般的に就職に際し(選ぶ側にとって)大きなファクターとなりますので。これは個人的に必ずしも好ましい現象とは思いませんー行き過ぎた排外主義は結果としてアメリカの国力を下げることになると思うからです。もちろんアメリカ以外の医学部を卒業してアメリカで医師として働くことは出来ます。僕もそうですし(京都大学医学部卒業→ニューヨークで研修してました→今はブラウン大学医学部の教官です)未だに多くのFMGがこのアメリカで働いてます。

以上手短に答えさせて頂きました。ご質問の答えになっていると良いのですが。

kohdai said...

丁寧な回答ありがとうございます。
もう一つだけ質問をしてもよろしいでしょうか。

記事を読んでふと思ったのですが、USMLEのstep3を受けるまでどれほどの期間を空けてもいいのでしょうか。

何度も申し訳ありません。時間があるときでいいので、返信をお願いします。

Taro Minami 南 太郎 said...

kohdai君

USMLEのStep3ですが、これは様々だと思います。州によっても必要な時期は異なっていたかもしれませんし、プログララムによっても異なるかもしれません。僕の所属するプログラムでは研修医の2年までに合格していることが進級の条件だったと思います。

研修医として働く前にStep3まで合格する人もいますし、これは人によっても様々ですねえ・・・こんなお答えで宜しいでしょうか?

Anonymous said...

南先生


初めてまして。
お忙しい中大変恐縮です。
先生の記事を参考にさせて頂いております。
卒後時間もたっておりますし、諦めていたのですが、先生のブログを読んでとても刺激を受けまして、卒業して時間が経ってるのですが、勉強を始めております。
一番内科や集中治療医、救急医のマッチングのプログラムに引っかかるかという心配が大きいです。
推薦状の当てもありません。
先生は難しい集中治療医をやられていて本当に参考になります。

マッチングに受かる条件として、
①step1の点数よりstep3まで取ってからマッチングに応募する方か優先されるとセミナーで聞いたことがありますが、
いかがでしょうか?どちらもどのように影響するのでしょうか?
②推薦状とUSの臨床経験歴を結果的に得える可能性のある方法としましてどのようなものがありますか?
まずは、情報もなく、卒後たってるので、難しいと思いますが海軍病院しかアイデアがありませんが、それも医局にて難しいと思います。
医局にいて、先生が推薦状と海外での臨床経験をどのように得られたか参考にさせていただけると幸いです。
③卒後時間が経ってる場合、 step1よりstep2から始めるとセミナーでもよく聞きますが、それはいかがでしょうか?

お忙しい所大変恐縮です。
お願い致します。

Taro Minami 南 太郎 said...

超亀レスで大変申し訳ありません。早速ご質問に答えさせていただきたいと思います。

(1)USMLEのSTEP3ですが、うーん、どうでしょう?ECFMGのCERTIFICATEおよび点数がよければ僕はそれほど気にすることはないと思うのですが。きっちりよい点数でSTEP2まで合格しているのは非常に大事です。
(2)推薦状とUSの臨床経験;これは非常に申し上げにくいのですが、よいアイディアは浮かびません。思い起こせば僕自身、当たって砕けろで臨床見学はつてを頼ってあちこち連絡をした末に参加できたので・・・すみません。でもどちらも(USの推薦状、臨床経験)すごく大事です。
(3) うーん、これもどちらでもよい気がしますが・・・たしかにstep2のほうが受けやすいのかもしれません。15年以上前の話なので僕の経験はあまり役にたたないかもしれません。すみません。

というわけでどの質問も奥歯に何かはさまったような回答しかできず申し訳ありません。重ね返信のおくれをお詫び申し上げるしだいです。直接メールでご連絡いただければもう少し具体的に回答できるかもしれません・・・