Friday, January 07, 2022

【受験記】米国集中治療医 専門医更新試験

皆様新年明けましておめでとうございます。ここニューイングランドも日本に遅れること約半日、ようやく新年を迎えました。旧年中は皆様にはこのブログをご愛読頂き誠にありがとうございました。本年も皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げますとともに当ブログもよろしくお願い申し上げます。例によってまた気が向いたら更新しますね(←おい!)

さて、昨年11月は10年ぶり(正確には11年ぶり)となる集中治療医 専門医更新試験を受けてまいりました。専門医試験は10年おきに「更新試験」が必要となるので本当は2020年が試験の年だったのですが、米国内科専門医機構(American Board of Ineternal Medicine: ABIM) がパンデミックの対応に忙しい集中治療医(ちなみに感染症科、呼吸器内科も同様)に対して2023年まで専門医資格を延長してくれた(リンク先には2022年とありますが、集中治療は特別に2023年まで延長してくれました)のと、狭い部屋で10時間も他の受験生と過ごすのは感染対策からもちょっと気が引けた(2020年の11月の時点ではまだワクチン接種も始まってませんでしたしね)ということで受験を伸ばしたのでした。ですから別に2021年に受けなくてもよかったのですが、まああんまり伸ばすのも精神衛生上良くないし、ワクチンも受けたしいい機会だから済ませちゃおうということで受験してきました。

試験日は11月15日です。9月ごろから病棟(ICU)の方が忙しくなり、また10月11月は学会や講演の日々。受験勉強どこではない!という感じで日常業務にてんてこ舞いの日々でした。ようやく試験勉強の時間が確保できたのは1週間前。「とにかくこの1週間は試験勉強に専念するから」と家族に宣言。例によってCHEST SEEKという問題集を解きまくります。更には耳学問と車の中ではボードレビューのレクチャーを聴き続けると例によって家族からは大ブーイング。「パパが仕事失ったら困るでしょ?」となんとか説得するも嫁さんからは「毎回試験直前にバタバタするの本当にやめてくれない?」と実にごもっともなご指摘を頂きます。すみません。しかも頭の中では「専門医試験の更新期限の2023年までまだ2年もあるじゃない」「初回と違って試験中UpToDateが使えるし」と悪魔の囁きがこだまします。そういうわけで勉強モードにターボチャージがかかりません。そもそもターボチャージなんて持ってたっけ?おまけに今回は10年前にはなかった「老眼」という伏兵が奇襲をかけてきます。問題集も教科書も読みづらいこと。眼鏡、眼鏡。

試験が数日前に迫ったとある日、ABIMから以下のようなメールを受け取ります。




まじっすか?UpToDateが使えないかも?本当に?えらいこっちゃ・・・お前が頼みの綱だというのに。というわけで1週間、なんとか試験問題集をやり終えて試験に臨みます。UpToDateは色々有りましたが試験中なんとか使えてやれやれです。しかし、今回は本当に準備期間が短かった(というか殆ど準備らしい準備ができなかった)ので、なんだかモヤモヤした気分のまま試験を受け終え、帰宅します。受験後は引き続き復習するのが常なのですが「どうせ2023年まで専門医資格はあるんだから、落ちていたらまた受けるまでよ」とモチベーションも上がりません。本当、人間って尻に火がつかないと動かないものですね(←「人間って」などという安易な一般論はやめましょう)。子供たちからは「パパ、試験に落ちたら仕事を失うの?」という素朴な質問を受けます。「大丈夫、2023年までは専門医資格保持してるし、いざとなったら呼吸器内科医として働けるから」といい加減な返答をします。

ということで年も明け、いよいよ1月。前回の経験からすると1月5日ぐらいに結果が届くはずだと、ビクビクしながらメールボックスをチェックする日々が続きます。そんなに怖いんならちゃんと勉強したら良いのに、本当に過去の経験から学びませんなあ、自分。というわけで、メールボックスをちまちまチェックしていたら今回は1月6日に来ました。例のメールです。




これこれ、メールに直接「合格」とか「不合格」とか書いてないんですよね。ま、そりゃそうか。というわけで、恐る恐るリンクをクリックします。すると・・・


と言うことで無事合格していました。良かった〜、点数を見たら大分勉強した「呼吸器内科」や「一般内科」よりも何故か大分よく受験者の平均点よりは大分上でした。なーんだ、びびって損したよ。皆さんもっと勉強しないとダメだよ←おい!合格を意気揚々と嫁さんに報告すると「『お騒がせして申し訳ありませんでした』を忘れているんじゃない?」と言う実に鋭いご指摘を頂きましたとさ。

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