ビジネスEメールではとにかく言いたいことが伝わるように、簡潔を旨とし余計なことは書かない。と言われているように思います。しかし、徒然草を読んでいると、今朝降った雪のことをメール(文)に書かなかったために兼好先生がお願いを聞いてもらえなかった事例が述べられておりなかなか興味深いです。簡潔に文章を書きながら「ひがひがしからん人(=情趣を解さない人)」にならないのも難しいですね。以下に引用を載せておきます。それにしてもあの当時、メールがちゃんとその日のうちに届いていたんですね。ビックリ。
http://melisande.cs.kyoto-wu.ac.jp/eguchi/pdd/turedure.html
徒然草・第三十一段
雪のおもしろう降りたりし朝(アシタ)、人のがり言ふべき事ありて、文(フミ) をやるとて、雪のこと何とも言はざりし返事(カヘリコト)に、「この雪いかゞ見ると一筆(ヒトフデ)のたまはせぬほどの、ひがひがしからん人の仰せらるゝ事、聞き入(イ)るべきかは。返(カヘ)す返(ガヘ)す口をしき御心(ミココロ)な り」と言ひたりしこそ、をかしかりしか。
今は亡き人なれば、かばかりのことも忘れがたし。
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