アメリカに来てから数えるほどしか映画館に映画を見に行っておりません。10年間で本当に10本の指に収まるほどでしょうか。平均すると年間1本映画館で映画を見るか見ないかという計算になります。というのも、自宅にいながら映画が割に自由に比較的大画面で見れるようになったからですね。とくにNetflixの出現は強烈でした。定額でオンラインで好きな映画を好きなだけ見ることができ、さらにそれが大画面のHDテレビで自宅でくつろぎながら、となれば映画館まで出向く必要もないというわけです。時間的にも自宅で見るほうがはるかに節約できるー映画館まで出かける時間が勿体ないという理由も大きいです。
ところがです、この「ゼロ・グラビティ(OriginalはGravityというタイトル)」はなんと3回も映画館に足を運んでしまいました。映画館で3Dの大画面でみるこの映画の迫力は凄まじいです。すでに多くの方が書いてらっしゃいますが「映画というより新たな体験」といっても差し支えないかもしれません。まるで、自分が宇宙空間に実際浮かんでるかのような錯覚に陥るのですがこれは凄い。作品賞こそ逃したものの、アカデミー賞を7部門も獲得するのも納得です。
というわけで、ごく自然に起こってくる疑問が「実際の宇宙遊泳と比べてこの映画はどのくらいリアルなのか?」というものです。で、Garrett Reisman という本物の宇宙飛行士の方がこの質問に答えてらっしゃいます。
Reismanさん曰く
"Gravity" is the most realistic space movie ever.
「映画「ゼロ・グラビティ」は宇宙映画史上最高にリアリスティックな映画だね。(拙訳)」
おお〜なるほど、でその理由はというと・・・
I mean, that Clooney guy looks just like me!
「だってさ、ほら、ジョージ・クルーニー演じる宇宙飛行士なんて俺そっくりじゃね?(拙訳)」
・・・・・
そこかい・・・・
というわけで、以降かなり面白い回答となっております。実際Reismanさんがどの程度ジョージ・クルーニーに似ているかはご本人の近影が同じページに掲載されているので、読者の皆様のご判断に委ねたいと思います。僕は見た瞬間に爆笑してしまいましたが(失礼!)冷静に眺めるとジョージ・クルーニーというよりはむしろこちらの方に似ているのではという印象も受けました。
あまりにもしょっちゅう「(本物の宇宙飛行士の目から見て)ゼロ・グラビティってどうよ?」と聞かれるため(Reismanさん自身一日に12回も聞かれたそうです←ほんまかいな)いまやこの質問は宇宙飛行士の間でもっとも忌み嫌われる質問になりつつあるそうです。ちなみに「うんざり度」では「宇宙でどうやってウンチをするの?」という質問を超えたそうで、この人かなり面白いです。
(Reference)
What Does A Real Astronaut Think Of 'Gravity'?
http://www.forbes.com/sites/quora/2013/10/17/what-does-a-real-astronaut-think-of-gravity/
アメリカ東海岸で働く日本人内科医師のブログです。留学20年目(これを留学と呼べるかはともかく )にして、未だに英語で苦労し、英語を学び続ける悲哀?を中心にアメリカで日々心に移り行くよしなしごと(ref 兼好法師)を書いております。医学関連のおはなしが少なくて恐縮ですが、お暇なときにお付き合い頂けましたら幸いです。
Wednesday, March 26, 2014
Thursday, March 20, 2014
平均律クラヴィーア曲集
さて、一時はモーツアルトばかり聞いていたEngRishmanですが、最近はバッハばかり聞いております。車の中で最近良く聴くのは平均律クラヴィーア曲集です。自分にとって食べ物に例えるとモーツアルトが豪華なフレンチの肉料理だとしたら、バッハは小松菜のおひたしのような感じ。華やかさはないけれど、しみじみ美味しい。大トロの握りがモーツアルトだとしたら、バッハはコハダだと言えましょう(なんのこっちゃ)
僕は子供の時野菜を食べるのが実に苦手だったのですが、最近はしみじみ美味しいと思えるようになりました。バッハも若い時は「辛気臭い音楽やなあ」と思っていたのですが、最近はしみじみ美味しい、いえ、素晴らしいと思えるようになりました。
でも豪華なフレンチも大トロも凄く美味しいことには変わらず時々食べたいなあ、と思うわけです。そんなに食べれないけど。
僕は子供の時野菜を食べるのが実に苦手だったのですが、最近はしみじみ美味しいと思えるようになりました。バッハも若い時は「辛気臭い音楽やなあ」と思っていたのですが、最近はしみじみ美味しい、いえ、素晴らしいと思えるようになりました。
でも豪華なフレンチも大トロも凄く美味しいことには変わらず時々食べたいなあ、と思うわけです。そんなに食べれないけど。
Sunday, March 16, 2014
ピアノはボケを防ぐか?
皆様お久しぶりです。心に移り行くよしなしごとを書きつけるEngRishmanですが、今回はピアノとボケ防止のお話。最近ピアノの練習を再開した、というのは時々書き付けておりますが、実際のところ「ピアノを弾くことがボケ防止になるか」を調べてみました。
調べたとは言ってもGoogle Scholarに"Piano Dementia Prevention"と入れただけです。それだけで結果がゾロゾロ出てきました。素晴らしい時代です。
というわけでトップに出てきたのが、おらがすむ田舎 New England のローカル雑誌 (というのは半分冗談で世界トップのメディカルジャーナルです) New England Journal of Medicineに10年ほど前に掲載された論文 (1) です。これをざっと読むと、「楽器を弾くPlaying musical instruments」ことはボケ防止と関連あるようです Hazard Ration for Dementia 0.31 (95% CI: 0.11-0.90) ←なんじゃこりゃという人は適当に無視してください。要は関連が凄くありそう、ということです。その他にも「ボードゲームで遊ぶ Playing board games」 「読書 Reading」 「ダンスをする Dancing」などが関連しているようですが実に興味深い結果です。他にも「ボケ防止とあまり関係ない 趣味の活動 Leisure Activities」の例も挙げられてますので、興味のある方は是非原文 (特にTable 2) をご参照くださいませ。
というわけで、いちおうエビデンスが見つかってモチベーションがさらに上がり(←よこしまな考え?)るんるんのEngRishmanなのでした。未だにバッハのインベンション13番で苦労しているんですけどね〜(亀の歩み)
(Reference)
1. Verghese J, Lipton RB, Katz MJ, et al. Leisure activities and the risk of dementia in the elderly. The New England journal of medicine 2003;348:2508-16.
調べたとは言ってもGoogle Scholarに"Piano Dementia Prevention"と入れただけです。それだけで結果がゾロゾロ出てきました。素晴らしい時代です。
というわけでトップに出てきたのが、おらがすむ田舎 New England のローカル雑誌 (というのは半分冗談で世界トップのメディカルジャーナルです) New England Journal of Medicineに10年ほど前に掲載された論文 (1) です。これをざっと読むと、「楽器を弾くPlaying musical instruments」ことはボケ防止と関連あるようです Hazard Ration for Dementia 0.31 (95% CI: 0.11-0.90) ←なんじゃこりゃという人は適当に無視してください。要は関連が凄くありそう、ということです。その他にも「ボードゲームで遊ぶ Playing board games」 「読書 Reading」 「ダンスをする Dancing」などが関連しているようですが実に興味深い結果です。他にも「ボケ防止とあまり関係ない 趣味の活動 Leisure Activities」の例も挙げられてますので、興味のある方は是非原文 (特にTable 2) をご参照くださいませ。
というわけで、いちおうエビデンスが見つかってモチベーションがさらに上がり(←よこしまな考え?)るんるんのEngRishmanなのでした。未だにバッハのインベンション13番で苦労しているんですけどね〜(亀の歩み)
(Reference)
1. Verghese J, Lipton RB, Katz MJ, et al. Leisure activities and the risk of dementia in the elderly. The New England journal of medicine 2003;348:2508-16.
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