Thursday, January 16, 2020

君はGlobal Entryを知っているか?

Eng"R"ishmanは日本人なので、アメリカに長期滞在するためにはビザが必要になります。最初は交換留学ビザであるJ-1 Visaで7年, 次は特殊労働ビザであるH1-B Visaで(いわゆるJ1 Waiverという奴です)で3年半ほど、足かけ10年半ほど(いや、11年近くかな?)ビザ持ちで米国滞在を果たしたのでした。そして11年目にして晴れてグリーンカード(U.S. Lawful Permanent Resident Status)を手に入れ忌々しいビザ持ちの生活とはおさらばしたのでした。

Visa 持ちで何がうっとうしいかといえばアメリカ再入国の時です。山のような書類を手に米国国境で冷や汗かきながら(かかなくてもいいんだけど)入国審査を受けるわけです。一度カナダで学会があったときなど、ビザのスタンプを押してもらう為に領事館に行ったら担当係の勉強不足で「Jビザで7年も過ごしたのだからアメリカには再入国できない、2年間日本かどこかで過ごすように」と言われました。「いやいや、これはJ-1 waiverと言いまして・・・」と説明してもけんもほろろの対応です。慌てて自分の弁護士(移民やビザ関連専用の弁護士ー長期滞在するためには皆さん多かれ少なかれお世話になる存在です)に連絡して領事館に連絡してもらい、翌日には「あれ間違ってました、すみません、ビザ取りに来てちょーだい」と領事館から連絡を頂き事なきを得た次第です。しかしお陰で帰りの飛行機はキャンセルして予約し直す羽目になるし、帰米は遅れるし、家族にも心配掛けるしで、たまったものではありませんでした。

グリーンカードを得た今となってはアメリカへの再入国がビックリするほど楽になりました。取得して最初の再入国の時など、あまりにも楽なので「え?これだけでいいの?」と拍子抜けするぐらいでした。パスポートやグリーンカードなどの基本的なものを除けば、ビザ所持時のような膨大な書類審査もないし、基本的に飛行機を降りたら、国境審査のKioskでグリーンカードを専用の機械にかけて、指紋を取られ、顔写真を取られ、係員にパスポートとグリーンカードを見せて簡単な質問を受けるだけで再入国出来ます。ビザ持ちの時のネチネチとした国境審査と比べれば天と地との違いです。ビザを所有していたときは再入国の作業がうっとうしくて、日本への一時帰国をためらうぐらいでしたから、グリーンカードを得てから日本や米国外への旅行も心安らかに?行う事ができるようになりました。万が一ビザのトラブルで再入国出来なくなるとしゃれになりません(で、実際そのような悲惨な事例を時々聞きます)。

というわけでここ数年は比較的心穏やかに国境審査を受けていたのですが、最近飛行機で米国に入国する度に見かけるGlobal Entryというロゴが気になっておりました。何やら専用の別のレーンから、長蛇の列に並ぶ我々をあざ笑うかのように素早く国境審査を脱出している人々がいる?これは何?と思っていたら何人かの方に「え?あれだけ旅行していて(EngRishmanは仕事で日本によく帰るんです)Global Entryに登録してないの?超便利なのに・・・?」と激しく勧められました。

というわけでGlobal Entry、登録してみましたのでその顛末記をば備忘録的にここに記しておきます。ちなみにこれ、米国市民か、永住権をもつ人たち、あといくつかの国の人(日本は含まれてない、残念!)のためだけのサービスなので、ビザ持ちの日本人は応募できませんのでご注意くださいませ。Eng"R"ishmanは永住権を持っているので応募可能なのでした。あと、ただでは無くて5年間のサービスに100ドル払う羽目になります。これを高いと思うか安いと思うかは人次第。ただしこのサービスを使っている人は口をそろえて「100ドルの価値は絶対にある!」とおっしゃります。ほほう。

このGlobal Entry、要は自分の情報をあらかじめ米国の政府機関(Customs and Boarder Control)に登録しておくことで「怪しい人物じゃないよ」とスムーズに再入国出来る仕組み、という理解になります。再入国時のトラウマを思うと登録してみたい、とは思っていたのですが、あの忌々しい専門医試験などにはばまれ?なかなか作業が出来ませんでした。さらに言えば、Eng"R"ishmanは基本的に面倒くさいことが大嫌いなので、書類作業など特におっくう(とは言ってもオンライン作業だけなんだけど)でなかなか始められなかったのでした。

その忌々しい専門医試験も無事終わり年も明け、2020年に入りようやく重い腰を上げて面倒くさがりのEngRishmanも書類作業に挑戦したのでした。基本的にオンラインで自分の情報をちまちま入力していく作業ですが、これがネチネチと細かい情報を聞かれて実にうっとうしい。Visaでアメリカに滞在していた頃の悪夢の10年間が蘇ります。あの時は本当に書類地獄でした。何を隠そうEngRishmanは書類作業一般が本当に苦手で、出来ることなら書類なんぞは避けて平穏な人生を過ごしたいのですが、このVisaに関しては地獄の書類作業の連続でした。それほどではないにせよ、このGlobal Entryのオンライン入力、実にうっとうしい。でも悪態をつきながら入力していたら、いつの間にか30分ほどで終了。なーんだ、こんなに早く終わるならもっと早くに申し込めば良かったよといういつものパターンです。あとは自分の入力した情報が審査に掛けられ、合格したらインタビューという流れです。

とういうわけで、オンライン作業終了から数日で「書類差審査合格 (Conditional Approval)」の連絡が。あとは専用機関でインタビューを受けるだけです。が、ここで罠がありました。おらが村ことロードアイランド州でのインタビュー可能な日付をみたら、すでに6月までインタビューの予約でいっぱいで空きがないではありませんか!一番早くてもインタビュー可能な最初の日は7月1日??6ヶ月待ち?いやいやいや、ご冗談でしょうファインマンさん?おとなり街のマサチューセッツ州は?え?いまインタビューはやっていない?え?は?というわけで1ヶ月以内にインタビューできる「近くの」場所を探したらなんとニューヨークやメイン州などしかでてきません。「まさかこのためだけに何時間も掛けて家族を犠牲にして旅行なんかしないよね?」と妻にはやんわりと釘を刺され退路を断たれます。というわけでこのオプションは最初から無かったことに。困った〜というわけでこの大河ドラマは続きます(かもな、←おい!)

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