Sunday, October 28, 2012

ハリケーンと知的生産

皆様お久しぶりです。米国東海岸はハリケーンSandyが近づいており各地で非常事態宣言が出されております。ニューヨークの一部では強制避難命令(勧告ではなく命令なので否応なしに従わないといけない)が出ており、なかなか緊迫した雰囲気になっております。さて僕は普段から「いますぐどこかに緊急避難しないといけない」事になった場合に備えて以下のような準備をしております。

(1) 緊急避難時の荷物

普段使うバックパックには
洗面用具 (歯ブラシ、歯磨き粉、ヒゲソリ、シェービングクリーム、石鹸)、薬、コンタクトレンズなどを詰めたポーチ
iPad + Bluetooth Keyboard
文房具、ノート
充電器 (iPhone, iPadのCharger)

などを常にいれております。とりあえず、何かあってもこのバックパック+iPhone,
財布(これはズボンに入ってる)さえあれば数日は仕事がとりあえずできるセットをバックパックに放り込んで常日頃持ち歩いております。また充電はこまめにするようにしてます。イメージとしては突然路上に放り出されても数日〜一週間程度はなんとかサバイブできるように(まあ、ゆうてもホテルやコンビニを当てにしてるわけですが) バックパックの中身を揃えております。外出するときはこれに加えてペットボトルの水とスナックを入れるようにしてます。正にサバイバルバックですね。問題は充電。バッテリーパックのようなものを持ち歩いてiPhoneが数日は持つようにしたほうが良いんでしょうね。

(2) データのバックアップ

ハリケーンで万が一家が壊れてしまってパソコンも全壊、などという場合に備え、バックアップは2種類取るようにしてます。その一つがDropboxというオンラインのサービス。重要書類の多くはスキャナーでPDFに変換したあとにDropboxに放り込んでいるので、とりあえずインターネットさえ繋がっていれば、どこからでも自分の書類にアクセスできるようにしております。仮に家が洪水で流されてしまってもいちおうスキャンされた重要ファイルはオンライン上に残っている、というわけです。また、Time MachineというサービスでMacのバックアップは外付けのハードディスク上にとっているので、家から緊急避難するまえにこれさえ持ち出せば一応バックアップはすべて持ち出せる(はず)です。スキャナで重要書類を簡単にPDFに変換できるようになったのは大きいですね。また、重要な写真なども小さいストレージに簡単に入るようになった技術の革新は移動を以前よりはるかに簡単にしますよね。

というわけで、ハリケーンを前にして以上のようなことをつらつらと考えておりました。本当はハリケーンが来ないのが一番(もしくは来ても被害が少ない)ですが、まあたまにはこういうことを考えるのも良いかなあ、と思いました。皆様もBe SafeというわけでEng"R"ishman もハリケーンに備えようと思います。




Monday, October 08, 2012

アメリカで臨床医として働くには?

片田舎でひっそりとプレーリードッグのように暮らしているEng"R"ishmanのブログでも読者の皆様からお便りをいただくことがあります。有難いことです。ここにご紹介させて頂きます。

ーーー 以下抜粋 ーーー
こんにちわ

ブログの記事読みました。
日本で医学部を目指して勉強している、高2の女子です。
アメリカの医師免許は、日本のように試験に合格すれば
すぐにもらえるわけではないんですね。
その難しさに驚きました。
私は将来、アメリカで医師として働きたいと思ってます。
私は今まで、
「大学を卒業したら、アメリカの医師免許をとって向こうで生活しよう」
と簡単に考えていましたが、想像していた以上に難しいんですね。
そこで先生に質問したいのですが、
アメリカで臨床医として働く、
一番現実的な方法を教えてもらえますか?

ちなみに英語は、3年ほどアメリカのコネチカット州に住んでたので
日常会話程度なら話せます。

ーーー 抜粋終わり ーーー 以下が僕の返事です

はじめまして

コメント有難うございます。あまりこのブログにコメントつくことないので、張り切って書いちゃいますね。

「アメリカで臨床医として働く」ためには大きく2つの道があると思います。

(1)アメリカの医学部を卒業してがMDの学位を取る
(2)日本の医学部を卒業してMDの学位を取る

(1)アメリカで臨床医として働くには、アメリカの医学部を卒業するのが一番確実な方法だと思います。ただし残念ながら僕自身経験がないため詳しくお伝えすることができません。ただし、アメリカの医学部を卒業して、アメリカで臨床医をされている日本人の先生はいらっしゃいます

さて(2)が日本人としては一般的なパターンだと思います。僕も日本の医学部を卒業し、日本で数年医師として働いてから渡米して臨床医として働いております。

(2)からアメリカで臨床医として働くためにはさらに大きく3つのプロセスがあります。

A アメリカの医師国家試験(USMLE)に合格する
B アメリカの研修医のポジションを獲得
C アメリカの医師免許を取得

実は研修医として働く分にはCは必ずしも必要ありません。医師免許はフェローや、指導医になった時に必要になってくるんですね。なので、AとBがメインのプロセスになります。実はこのBのプロセスが一番大変なんですね。Matchingというプロセスを経て、希望する病院に応募するわけですが、アメリカの研修医のポジションには世界中から応募があります。そのなかで選ばれるためには

a) 高いUSMLEのスコア
b) 素晴らしい推薦状
c) 卓越した英語力

などが必要になってきます。あなたの場合 c)は大丈夫ですよね?なのでa) b)が一番の肝です。
また、最近アメリカはどうやら海外の医学部を卒業した人達のアメリカでの就職を制限しようとする動きがあるようなので、これにも注意が必要です。詳しくは
http://www.ecfmg.org/
などを研究されるといいと思います。

とりあえずここまで、また追記するかもしれません。重ね、コメント有難うございます!